マネジメント

子どもに教えたい、生きる上で重要なこととは

『あなたがもし残酷な100人の村の村人だと知ったら』(経済界・1200円+税)

『あなたがもし残酷な100人の村の村人だと知ったら』(経済界・1200円+税)

 新刊『あなたがもし残酷な100人の村の村人だと知ったら』(経済界・1200円+税)が好評だ。発売直後に、すぐアマゾンのビジネス部門でベスト10入りした。

 自分のためというより子どもたちに読ませたい、いい内容だ、という声を聞く。この感想は、著者の私としては、まさにわが意を得たりだ。

 私にも、10代の娘が2人いる。彼女たちの人生航路は、まだ始まったばかりで、これから何十年もの長い月日、社会という荒波の中を航海していかなくてはならない。

 私の娘ばかりではない。世の小学生から中学生、高校生、そして大学生たちの前には、長い長い人生が待ち受けている。その人生は、社会と不可分に結びついている。

 つまり人は社会から大きな影響を受けながら、生きていかざるを得ない。

 だから、社会が今どうなっているのか、どう動いていくのかを知ることは、生きる上でたいへん重要になる。

 だが、社会がどう動いていくか、将来を見通すことはきわめて難しい。

 難しいが、ある程度予想ができるならば、生きていくうえでの心構えはまったく違ってくるに違いない。どうやってそれを知ることができるか。

 知るカギは、社会の動きには切れ目がないという点に着目することである。

子供が「今日の現実に目を開き、明日の生き方を考える」ために作られた本

 人生や社会そのものの展開は、「今日」の続きが「明日」で、明日は明後日につながっている。一切、切れ目がない。

 今日の現実が、完全に独立した存在であって、明日には無関係な存在として消滅しているということはあり得ない。

 人生で今日、努力したことは、何日かしてからの結果に反映するし、世の中で今日起こったことは、明日、明後日、あるいはもっと後の出来事に影響する。

 そこで社会で起こることのすべてがつながっているという事実を考えれば、将来、起きるであろうことの種(タネ)は、現在に播かれていると考えて間違いではないだろう。

 私の今度の本は、そこに着目して、若い人たちが、「今日の現実に目を開き、明日の生き方を考える」ために創られた本と言っていい。主人公は、若い人たちであり、大人は、若者たちがその現実を知るために事実の現場に導く立場にある。だから本の帯には、こうある。

 「13歳から知っておきたい日本とお金の衝撃の真実」

 「教えていますか? この国で生き延びる知恵と方法を。」

子供に今日の日本とお金の真実を教える大切さとは

 実際、本の帯にあるように、大人たちは若者に、日本の危うい今日の姿を「教えて」いるのだろうか?

 ここまで危うい姿である日本は、将来、自分の子どもたちが大人になったとき、あるいは家庭をつくったとき、どうなっているのか。話し合い、意見を出し合い、教示してあげたことがあるだろうか。

 ま、日本も何とかなるさ、考えるなんてしんどい、と呟くだけなら、子どもの将来を捨てたようなものだ。諦めるのはサルでもできる。いくら現実がシビアであろうと、もはや地獄にまっしぐらと決定しているわけでもないのだ。人間がつくった現実であるからには人間によって変革できる。

 この本の袖には、「生まれたときから借金まみれで、学校に行く金もなくて、仕事についても給料が安くて、結婚もできない、将来の年金も期待できず、それで老親の介護に追われる……」と、日本の子どもたちを取り巻く現実が描かれているが、この現実をつくった責任は大人のあなたにある。子どもたちと一緒に本書を囲み、現実に向き合い、変革の方法を話し合ってもらいたいものだ。

[今号の流儀]

 人間がつくった現実なら人間によって変えられることを教えたい。

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

融資における金利固定化(金利スワップ)の方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法 ~円滑な融資のために~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メインバンクとの付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

銀行融資の裏側 ~金利引き上げの口実とその対処法~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件とダスキン事件に学ぶ 不祥事対応の原則

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

ブラック企業と労災認定

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

電話等のコミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

税務の心得 ~所得税の節税ポイント~

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

税務の心得 ~固定資産税の取り戻し方~

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

子育てで重要な「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手く育成することで企業を強くする

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

人材育成のコツ ~部下の感情とどうつきあうか~

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

人材育成 ~“将来有望”な社員の育て方~

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

不動産のノウハウや技術を生かしサステナブルインフラへ―いちご

現存の不動産に新しい価値を創造する「心築(しんちく)事業」とJ‐REIT運用、太陽光などのクリーンエネルギー事業が主力。社名の「いちご」は一期一会に由来しており、サステナブルインフラを通じて日本の社会を豊かにすることを目指している。文=榎本正義(『経済界』2019年9月号より転載) 長谷川拓…

次世代車向け先進技術を応用する日本発プラットフォーマー ―イーソル

社員に奨学金を提供―ミツバファクトリーが実践する中小企業が勝つための福利厚生とは

新社長登場

一覧へ

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

アサヒグループ食品の副社長から、この3月にアサヒビールの社長に就任した塩澤賢一氏。長年、ビール営業畑を歩み、マーケティングを兼ねた繁華街歩きを趣味にしている。街の変化から世の中の流れを読む塩澤新社長が挑むのは低迷するビール市場の活性化。若者需要を伸ばしつつ、スポーツイベントを商機として攻勢をかけていく。聞き手…

「事業部門の連携を活性化させ営業利益100億円を目指す」 内藤宏治(ウシオ電機社長 )

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

イノベーターズ

一覧へ

シリコンバレーへの挑戦が生んだ「起業家と投資家が待ち望んだサービス」― 戸村光・ハックジャパンCEO

起業家のスタンスとして、画期的な技術やビジネスモデルを社会で活かすことを目的としたイノベーション先行型もあれば、社会課題解決を最優先とし、そこに必要な技術やノウハウを当てはめていくやり方もある。ハックジャパンCEOの戸村光氏の場合は後者。対象となる課題は「身の周りの気付いたことすべて」だ。(取材・文=吉田浩)…

「測量美術」が起こす道路工事のイノベーション―草木茂雄・エムアールサポート社長

IT化で変革する産業廃棄物処理の世界―福田隆(トライシクルCEO)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年9月号
[特集] 東京五輪以降──ニッポンの未来
  • ・2度目の東京五輪 今度はどんなレガシーが生まれるのか
  • ・高岡浩三 ネスレ日本社長兼CEO
  • ・脱CO2の切り札となる水素活用のスマートシティ
  • ・五輪契機にテレワーク普及へ「柔軟な働き方でハッピーに」
  • ・ワーケーション=仕事×余暇 地域とつながる新しい働き方
  • ・「ピッ」と一瞬で決済完了! QRしのぐタッチ決済の潜在力
  • ・東京五輪で懸念される調達リスク
  • ・フェアウッド100%使用にこだわる佐藤岳利(ワイス・ワイス社長)の挑戦
[Special Interview]

 原田義昭(環境大臣・内閣府特命担当大臣)

 世界の脱炭素化、SDGs「環境」が社会を牽引する

[NEWS REPORT]

◆フェイスブックの「リブラ」で仮想通貨も「GAFA」が支配

◆脱炭素社会へ 鉄リサイクルという光明

◆PBの扱いを巡り業界二分 ビール商戦「夏の陣」に異変あり

◆中国の次は日本に矛先? トランプに脅える自動車業界の前途

[特集2]

 北の大地の幕開け 北海道新時代

・ 鈴木直道(北海道知事)

・ 岩田圭剛(北海道商工会議所連合会会頭)

・ 安田光春(北洋銀行頭取)

・ 笹原晶博(北海道銀行頭取)

・ 佐々木康行(北海道コカ・コーラボトリング社長)

・ 會澤祥弘(會澤高圧コンクリート社長)

・ 佐藤仁志(北海道共伸特機社長)

・ 内間木義勝(ムラタ社長)

ページ上部へ戻る