政治・経済

拡大を続けるクラウドでナンバーワンの実績 テラスカイとは

(さとう・ひでや)1963年新潟県生まれ。87年東京理科大学理工学部卒業後、日本IBMに入社し、営業職に従事。2001年米セールスフォース・ドットコム日本法人の立ち上げに参画し、執行役営業統括本部長。05年システムインテグレーターのザ・ヘッド社長に就任。06年同社から分離独立したヘッドソリューションの社長に就任。07年2月テラスカイに社名変更。15年4月30日マザーズ上場。

(さとう・ひでや)1963年新潟県生まれ。87年東京理科大学理工学部卒業後、日本IBMに入社し、営業職に従事。2001年米セールスフォース・ドットコム日本法人の立ち上げに参画し、執行役営業統括本部長。05年システムインテグレーターのザ・ヘッド社長に就任。06年同社から分離独立したヘッドソリューションの社長に就任。07年2月テラスカイに社名変更。15年4月30日マザーズ上場。

 クラウドシステムの導入支援・開発事業を展開する。創業は2006年で、クラウドの概念が一般的になる前からクラウド関連事業を展開してきた。ここ数年でITは「所有」から「利用」へと急速に進み、クラウドの導入も急速に進んでいる。調査会社のMM総研によると、クラウド市場はこれからも拡大していく見通しで、その市場規模は14年の7749億円から19年には2兆円を超えるとしている。こうした中で、テラスカイのクラウド導入実績は1900件を超え、ナンバーワン。14年にはクラウドを利用した営業支援や顧客管理アプリケーションで世界首位の米セールスフォース・ドットコム社と資本・業務提携したことで、セールスフォースなどのクラウドサービスとシステムとの連携や、そのサービスにおいて国内シェア1位だ。

 「コンピューターの歴史は120年くらいありますが、過去に何回かコンピューターの使い方が劇的に変わった時期があり、それは大体15~20年に1回起こっています。前回のパラダイムシフトは1990年代後半。それまで主流だったオフコンやミニコンから、クライアントサーバー型への移行でした。今回は、そのクライアントサーバー型からクラウドへと利用形態が変わってきています。変革期には、既存のプレーヤーのヒエラルキーが崩れ、新興の会社が出てきますが、セールスフォース社やアマゾン・ウェブ・サービス社などそれまでの業界秩序を覆す企業も立ち上がってきました。当社も、そのような企業の1社であると自負しています」と佐藤秀哉社長は言う。

 変革期に登場した新興企業の中で、その後も成長して上場までこぎ着ける会社は数社だと言われ、テラスカイがその中で頭一つ抜け出したのは、創業当初からクラウド事業に照準を絞って事業を推進してきたからだ。他社がクラウド事業への経営資源投入を躊躇する中で、テラスカイは大手システムインテグレーターなどと一緒に取り組んだ。この先行者利益が今日に生きている。セールスフォース社はクラウドエンジニア認定制度を設けており、その認定者数で日本でナンバーワンなのはテラスカイの強みだ。

佐藤秀哉社長の考える今後のテラスカイの事業展開とは

 このところ、IT業界は多忙を極めている。政府が進めるマイナンバーや、みずほ銀行のシステム統合など数千億円規模のプロジェクトが進行中で、これが18~19年まで続くため、“プチバブル状態”なのだとか。現在、テラスカイの売り上げ構成は製品が約25%、残りはシステムインテグレーションやコンサルティングなどが占めており、利益率の高い製品分野の構成比率を高めたいが、人員が足りずになかなか振り向けられないのが悩みだという。今後は製品売り上げとその他の分野を半々くらいに持っていきたいとのこと。

 「上場はマイルストーン。大型案件の一巡後も成長していけるよう、引き続きクラウドを軸に事業展開を考えています。クラウドのマーケット自体が、IT投資の中である程度のシェアを持つでしょう。それだけでも巨大企業が1社できるくらいの大きさですがね。当社は来期40%の売り上げの伸びを見込んでおり、しばらくはこの成長率を継続していきたい」

 前職は日本IBMで14年営業に従事。同社には「社長になりたくて入った」が、優秀な人も多く、さすがに無理かなと思い、その後、IBMの先輩から声が掛かって、セールスフォース・ドットコム日本法人の立ち上げに参画した。05年にザ・ヘッドへ。ここは当初、上場を目指していたが、方針転換で上場を見送ることになり、セールスフォース事業を行っていた部門をMBOして06年にテラスカイを立ち上げた。

 「今後は、当社を現在のマザーズから1部上場企業になれるよう、しっかり成長させ、後継者を作って60歳になるまでに引退したい。IT業界は、世界的に見ると50代後半とか60代で社長を務めているのは日本くらいで、ほとんど40代か50代前半までです。毎日新しい製品やテクノロジーが出てきて、その中から次の成長の芽を読み取る頭のフットワークが付いていかないのです。その後? やりたいビジネスがあるんですが、今までとは少し働き方を変えて取り組みたい」とほほ笑んだ。

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