政治・経済

システムの性能情報を可視化し鳥瞰的に見る

 コンピューターネットワークシステムに関わる性能監視ソフトウエアのライセンス販売が主業務。創業当初から自社のエンジニアがマルチベンダー製品を実機で検証して蓄積してきたノウハウが、自社開発製品「System Answer G2」に反映されており、現在、ネットワークコンピューティング領域で100社以上の製品に対応している。

 「大手メーカーのコンピューター、プリンター、ネットワーク機器、セキュリティー、無線製品、ストレージ、配電盤などインターネットプロトコル(IP)を持った製品、いわゆるネットワークにつながるすべての機器の性能情報を可視化し、鳥瞰的に見られる仕組みを持っています。これだけのメーカーに対応している製品は、世界中探しても類を見ないと思います」と加藤裕之社長は言う。

 現代のコンピューターネットワークシステムは、サーバーがあり、ネットワーク機器があり、セキュリティーなどの維持製品があり、出力のためのプリンターなどもつながっているが、それらがすべて同じメーカーということは少なく、そうした複雑化したシステムの全体を把握し、性能の分析を行うのは非常に手間がかかる。これをソフトウエアにして提供しようとは誰も思わなかったのだろう、と加藤氏は説明する。アイビーシーでは、誰でも簡単に使えるようにテンプレート化しているところが特長だ。

 加藤氏は、東洋大学工学部応用化学科を卒業後、素材メーカーのダイニックに入社した。同社は以前、日本クロスという社名で、壁紙などを製作する会社だった。ここで加藤氏はワープロ用のインクリボンの開発を担当する。

 1年後、ITソリューション、ネットワーク機器の企画・販売などを行うアライドテレシスに移り、ここではLAN機器の営業をする。時は1990年代前半だった。当時、パソコンとサーバー、その他さまざまな機器と接続して稼働させるには、システム全体が分からないとできず、そのことでいくらコスト削減になるのか、どういうメリットがあるかなどをきちんと説明しないと、LAN機器の販売はできなかったのだという。

自社製品の開発で成長にはずみ

 2001年、加藤氏はIPネットワークサービスプロバイダーのネット・チャート・ジャパン(現ネットチャート)に転じ、取締役に就任した。だが加藤氏は、インターネットの黎明期からネットワーク機器の販売に携わっていたため、さまざまな機能をつなげるようになり、ネットワークが複雑になるのを目の当たりにしたことで、「システム全体を把握し分析する需要が生まれるのでは」と考えるようになる。業界で名前が知れ渡るようになっていたため、外資系企業からのオファーもあったというが、自ら起業の道を選び、02年、アイビーシーを設立した。

 設立当初はコンサルティングを中心に行っていたが、08年に主力の自社製品「System Answer」を出した。多言語対応など機能を拡張しながら製品を更新しているという。IT投資の提案や統計リポートの自動作成など運用支援サービスも行っている。分析のために取得したデータを蓄積し、さらに解析精度が上がる仕組みだ。

 「売り切りの販売から年間ライセンス方式に変えていくと同時に、こうした製品が必要だという啓蒙活動も行い、徐々にはずみがつきました。11年以降はソフトウエアでの提供も始め、大手の顧客にも提供することができるようになっています」

 ここ数年、手掛けてきたのが、大手のパートナー企業との提携関係の強化だ。より一層、医療、文教(学校関係)、公共分野などへの普及を図りたいと考えているという。マイナンバー対策なども追い風としてとらえていく考えだ。機能を強化・拡充した新製品をそう遠くない将来に発売する見込みで、成長を加速させたい加藤氏だ。

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