政治・経済

 携帯電話料金引き下げを検討している総務省の有識者会議がとりまとめの12月に入っても意見集約が難航している。会議は携帯端末の過剰な値下げによる「実質0円」での販売を禁止するため、電気通信事業法に基づくガイドライン(指針)を制定する方針だが、携帯電話事業者が販売店に支払う販売奨励金にどう制限を加えるかについて委員の意見が集約できないもようだ。当初は12月9日に最終会議が行われる予定だったが、1週間ずれ込んだ。

 総務省は違反した事業者には業務改善命令を出せるようにして実効性を担保する方向で、2016年3月の年度末商戦からの適用を目指す。事務局が策定した指針案は、NTTドコモなど携帯電話大手3社に対してスマートフォンなど携帯端末の「実質0円」での販売を禁止するのが骨子。

 また、端末とサービスの料金に透明性を持たせるため、携帯電話事業者が販売店に渡す販売奨励金の状況などが分かるよう情報開示を求める。

 しかし、委員の間で、奨励金の上限設定など具体策について溝が埋まらず、事務局がとりまとめに苦慮。12月8日には公明党青年委員会が、高市早苗総務相に「販売奨励金による安価な端末は若年層が恩恵に預かっており、段階的な減少を求める」と要望書を提出。総務相も「若い人への対応も考えながら、段階的に対応していく」と述べ、激変緩和措置の検討に言及し、事態はさらに混沌としてきた。

 指針によって、「実質0円」のような過度の端末値下げが規制されれば、携帯電話大手は販売奨励金の一部を原資に、データ通信などの利用が少ない利用者向けに割安な料金プランを設定することが可能としている。3社とも低料金プランの検討を示唆しているが、委員の中には「販売店は奨励金を高額なプランに使うため、低料金プランの割安感は小さくなる」と、総務省の思惑通りにはならないと指摘する向きもある。

 安倍晋三首相の「携帯電話料金の負担は重過ぎる」発言から始まった携帯電話料金規制論議だが、政府が携帯端末の販売や通信料金に介入することに慎重な意見もある。そもそも規制のない分野にどう規制をかけるのか、ちぐはぐな議論をまとめるのは無理がありそうだ。

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