政治・経済

 「大き過ぎて潰せない」巨大銀行に2019年から新たな資本規制が導入されることになった。新規制は日米欧などの金融当局でつくる金融安定理事会(FSB)が策定し、11月中旬にトルコで開催された20カ国・地域(G20)首脳会合で承認された。

 資産に対する自己資本の最低比率が19年に16%、22年に18%と、2段階で現行の2倍近い水準に引き上がる。日本では3メガ銀行グループが対象で、バークレーズ証券の試算では3メガ総額の追加の資本調達額は16%時点で4兆円弱、18%の場合は9兆円に達する。だが、3メガ、金融庁とも受け止めは冷静だ。

 金融庁は日本で対象になる三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFGの3メガ銀グループが「総じて経営努力の範囲内で無理なく達成できる内容だ」と評価し、各社の経営や市場に大きな影響は出ないとの見方を示す。自己資本の上積みが迫られるのは確かだが、一方で算入できる自己資本の範囲が現行規制の普通株式や劣後債に加え、持ち株会社が発行する普通社債などにも広げるからだ。日本のように十分な預金保険制度の備えがある場合は19年に2・5%、22年からは3・5%分を算入できる措置も盛り込まれたことも追い風となる。

 三菱UFJFGは最低比率16%の達成に2兆円余りの自己資本積み増しが必要だ。傘下の銀行や信託銀行が発行した社債のうち、15~19年に満期を迎える社債は2兆円を超える。「満期を迎えた段階で順次、持ち株会社発行の社債に切り替えれば、16%は達成できる見通し」という。3メガは「利益の積み上げで、新規制の水準を達成できる可能性もある」(関係者)との楽観的な見方もある。規制強化が銀行の融資抑制につながるような市場への影響はほとんどなさそうだ。

 ただ、銀行規制をめぐってはFSBなどが、いくつかの枠組みを同時並行で議論しており、この先も強化される方向にある。金融庁は「今後も資本を厚くする努力は続ける必要がある」と手綱を引き締める。

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