政治・経済

 東京都内で11月30日から開かれていた日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉の第14回会合が12月4日、目標としていた年内の大筋合意を見送り終了した。食料品や自動車関税について協議を進めたが、EUは一部品目で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の水準以上の市場開放を要求した模様で、主張の隔たりは埋まらなかった。結局、交渉は来年の早期妥結に向け努力することを確認するにとどまった。

 世界の国内総生産(GDP)の約4割を占めるTPPに対し、日本とEUのEPAが発効すれば、GDPで世界の約3割を占める経済圏が確立されることになる。それだけに、この交渉は日本としてはTPPと同等の重要な通商交渉に位置付けられている。日本はEUに対し自動車やテレビなど電子機器の関税撤廃を要求している。一方、EUは豚肉などの農産品、さらには日本への輸出距離を考え、比較的保存期間の長いチーズやパスタ、ワインなど食料加工品の関税の撤廃を日本に求めている。

 10月に大筋合意した日米などが参加するTPPでは、豚肉やチーズなどEUが興味を示す一部農産品の関税が撤廃、削減されることが決まった。EUはTPPを上回る水準の開放を要求しているとみられるが、日本側の対応は慎重だ。

 というのも、ただでさえTPPの大筋合意で国内農家からの不満や反発が高まっている中、「農産品や食料品で世界的に競争力のあるフランスやイタリアの関税が撤廃・削減されたら、さらなる混乱と不安を招きかねない」(交渉筋)からだ。欧州とのEPA交渉の大筋合意は、日本のTPP対策にある程度のめどが立たない限りは無理との指摘もあり、協議は長期化する可能性もある。

 安倍晋三首相は11月にユンケル欧州委員長と会談し「2016年の早い時期の合意」を目指す考えで一致。今後は16年春にも予定される日本とEUの定期首脳協議での大筋合意を目標に協議を進めるとみられるが、交渉の難航は必至だ。

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