経済界大賞

仕入れ構造改革や労働条件改善で着実に成長軌道に乗る

優秀経営者賞 大西 洋 三越伊勢丹ホールディングス社長

優秀経営者賞
大西 洋 三越伊勢丹ホールディングス社長

 経営環境が厳しくなる中で、三越伊勢丹ホールディングスの業績が好調だ。2015年度中間決算では通期予想を上方修正し、順調な成長軌道に乗った感がある。その背景には、大西洋社長が11年の就任以来進めてきた仕入れ構造改革や労働条件改善などの効果が少しずつ表れてきていることがある。

 百貨店業界は同質化に加え、商品の価格と価値のバランスが崩れ、競争力が低下したことから苦境に陥っている。そこで大西社長は、相対的価値ではなく絶対的価値の提供を重視。自社でモノづくりを行い売り切る形にサプライチェーンの構造を変える仕入れ構造改革を実行している。

 「良い物を提案すればお客さまはちゃんとそれに応えてくれます。やっていることに手応えは十分にありますが、もっと進めていかなければならないと思います」と大西社長は語る。この仕入れ構造改革はまだ道半ばで、将来的には自社商品の比率を25%まで拡大する方針だ。

 労働条件改善については、「最後は人」だという思いから、従業員のモチベーションを上げる企業風土や働く環境をつくるための投資を増やしている。そして営業時間を短縮したり、定休日を増やすなど、従業員の負担を減らす方向に進んでいる。

 「目先の売り上げが瞬間的に落ちても、働く人たちが良い環境で働かないとお客さまにも良いおもてなしができません。業界の流れとは逆の動き方ですが、将来的には絶対に良いと思っています」

 さらなる成長に向けて、これからの3年を試金石と位置付ける。17年には旗艦店のひとつ、三越日本橋店のリモデルも控える。ビジネスモデル転換などの基盤は築いたが、早く結果を出していくことを求められる。

 「人材とマーケティングが一番重要なインフラになってきます。そこでどれだけイノベーションができるかだと思います」と大西社長は意気込む。

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