政治・経済

 政府が昨年12月18日に閣議決定した2015年度補正予算案では、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)関連政策大綱実現に向けた予算として計3403億円が盛り込まれた。その内訳は農業対策として3122億円、外務省や総務省の輸出支援事業などで280億円を計上した。

 だが、経済産業省が“TPP活用促進”として示した中小企業支援事業など計2100億円などは、なぜか一億総活躍関連予算に組み込まれた。確かに中小企業支援は一億総活躍にも関連する事業ではあるが、一部ではTPP発行前の予算計上に批判的な世論の声を避けるため、TPP関連予算は「なるべく少なく」見せようとする財務省の意向が働いたのではないかと勘ぐる声もある。

 さらに対策の柱として計上された、農地や水路など農業インフラを整備する農業農村整備(土地改良)事業計990億円についても、「1千億円にしなかったところが不自然」(野党議員)との指摘もあるのだ。

 政府には、1993年の関税貿易一般協定(ガット)の多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)対策予算は、総額6兆円の対策費のうち6割近くが農業と関係ない温泉施設などの土地改良に使われ、「バラマキ」と批判された経緯がある。

 その記憶もあり、「土地改良予算は少なく見せるよう配慮したのではないか」(前述の野党議員)と憶測する。ただ、自民党幹部は「今回の土地改良予算は総額の約3割とウルグアイ・ラウンドの半分。しかも、大規模化や基盤整備に特化しており、予算の質が違う」と述べ、対策の違いを強調する。

 とはいえ、経産省のTPP関連予算や地方創世の本格展開などに含まれる再掲事業1472億円なども計上すると、TPP関連予算は実質的に7千億円程度まで上積みされるとも見込まれる。

 TPPの影響試算は今回の補正に反映されておらず、TPP対策としての根拠を疑問視する批判が一部議員から上がっている。1月から始まる国会審議で野党からの追及は避けられない状況だ。

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