マネジメント

谷川浩道氏の愛書 『銃・病原菌・鉄』を通じて思考することの重要さを教わる

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(たにがわ・ひろみち)1953年福岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、76年大蔵省(現財務省)入省。財務省大臣官房審議官、日本政策金融公庫常務などを経て、2011年西日本シティ銀行に入行。専務、副頭取を経て、14年代表取締役頭取に就任。

 読書家として知られる谷川氏が薦める本は、ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』(草思社)。1997年に発表され翌年にはピュリッツアー賞を受賞した作品だ。日本語版は2000年に出版されベストセラーとなったことでご存じの方も多いだろう。

 フィールドワーク中のニューギニアで現地の人々との交流から生じた疑問、「なぜ、ヨーロッパ人が世界を席巻できたのか」についてまとめられた本書は、よく言われる白色人種の優位性を否定、その人種が育まれた場所やそこに住む動植物など環境によって文明の差は生まれたのだと結論付ける。

 例えば、栽培が容易い植物があれば、狩猟採取生活から脱却することができ、結果時間が生まれ、文明を発展させたのだという。また、ユーラシア大陸という恵まれた大陸が多くの文明を育み、交流によってさらなる発展を促したというのだ。交流は時に病原菌の猛威にさらされるが、それも免疫という力を与えるものでもあった。インカ帝国を滅ぼしたものがピサロの持ち込んだ病原菌であったことがそれを物語る。

 谷川氏は、「人類社会の歴史について、これほど鋭い問題意識、豊富な知識と深い洞察に満ちた書物はほかにない」と言う。また、著者が疑問を持ち、問題に対して真摯に向き合うところに、「思考するとはこういうことなのか」と驚嘆したと言っている。

 読書の魅力について谷川氏はこう語る。「フロムの『自由からの逃走』、フランクルの『夜と霧』、ハンコックの『神々の指紋』など、読者の想像力を掻き立て、衝撃を与える本が多くある。本書もその1つ。こんなすごい書物に出合えるのだから、読書はやめられない」

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