マネジメント

企業の目的は顧客の創造組織経営の本質を突く大著

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(りんの・ひろし)1942年生まれ、京都府出身。65年埼玉大学文理学部卒業後、西武百貨店(現・そごう・西武)入社。その後、クレディセゾンに。常務、専務を経て2000年社長に就任。08年まで経済同友会副代表幹事を務めるなど、公職も多い。

 林野宏・クレディセゾン社長が経営者となるための1冊として挙げるのは、ピーター・F・ドラッカー著『マネジメント 上/中/下』(ドラッカー名著集13〜15:ダイヤモンド社、2008年発行)だ。

 本書は、「経営の神様」と称される著者が独自の経営論を体系化したもので、原著初版は1974年発行。ダイヤモンド社の上・中・下巻のうち、上巻はマネジメントが成し遂げるべきミッションと仕事の方法、組織が果たすべき社会的責任の本質を述べている。中巻はマネジメントの仕事とスキル、組織のマネジメントなどについて、下巻はトップマネジメントが果たすべき役割と課題、状況に応じて取り組むべき各種の戦略について述べている。

 林野氏にとっては、「資本主義社会において『イノベーション』のできない企業は 生き残ることができない。企業は『マーケティング』と『イノベーション』を『マネジメント』することによって『顧客の創造』を唯一の目的とする」との主張が印象深いという。

 「この価値観は『利益の極大化』に対する『アンチテーゼ』として有効であると思う」と林野氏は語る。「顧客の創造」を無視した結果が、最近続出している利益至上主義による企業の不祥事であり、その洞察力は現代においても本質を突いている。

 さらに林野氏は、著者が「経営者の本質は『権利』や『権限』ではなく『責任』だと喝破したこと」にも注目。「社会を構成する多くの組織はそれぞれ役割があるがいずれも社会への貢献を明確にすることが必要であり、芸術、文化、スポーツ、自然等をサポートすることを通じて社会的責任を全うすることを期待されている」と語っている。

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