政治・経済

 高市早苗総務相が2月8日の衆院予算委員会で、「放送局が政治的な公平性を欠く放送を繰り返したと判断した場合、行政指導しても全く改善されず、公共の電波を使って繰り返される場合、それに対して何の対応もしないと約束するわけにいかない」と述べ、放送法4条違反を理由に、電波法76条に基づく電波停止を命じる可能性に言及。いまだに国会での質疑や新聞などの報道で「恫喝だ」と問題視されている。しかし、問題の本質は違うところにあるようだ。

 民主党の奥野総一郎議員が衆院予算委員会で「政権に批判的な番組を流しただけで業務停止が起こり得るのか」などと質したのに対して、総務相は「違反した場合は罰則規定も用意されていることで実効性を担保すると考えている」と説明。

 その上で、「私のときに(電波停止を)するとは思わないが、実際に使われるか使われないかはそのときの大臣が判断する」と語り、電波停止の可能性に重ねて言及した。その後、総務相発言はメディアで大々的に取り上げられて、国会でも野党が挙げ足を取るかのように言葉尻を突く質問が繰り返されている。

 総務省は放送法4条が定める「政治的公平」の解釈や判断基準について政府統一見解を出した。

 1つの番組だけでも同条に抵触する場合があるとした高市氏の答弁を踏襲し、「一つひとつの番組を見て、全体を判断する」とした。統一見解は民主党が衆院予算委員会で要求し、2月12日の同委理事懇談会で公表。政治的公平の判断について、「放送事業者の『番組全体を見て判断する』としてきた解釈は何ら変更はない」と明記。いわば総務相の見解を追認したものだ。

 高市氏は2月22日の衆院予算委員会でも「(政治的に公平でない放送を繰り返す放送局に放送法や電波法の)適用はあり得ないとは申し上げられない」と述べ、一言居士ぶりを見せつけた。

 自民党政調会長時代は舌禍事件を起こしたこともある高市氏だが、総務相就任後は「持論を言うと迷惑をかける人がいるから」と口を閉ざし、安倍政権の中でも安定感を示していた。ある自民党議員は「久しぶりの注目度アップで機嫌が良さそうだ」と笑う。

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