マネジメント

 ソフトブレーン・サービスは、「営業プロセスマネジメント」コンサルティングのパイオニア。宋文洲氏が創業した営業課題解決事業を行うソフトブレーンのグループ会社だ。

野部剛氏が語る「科学的組織営業」とは

 企業にとって営業力強化は最優先課題の一つ。だが、そのための道筋が描けているという企業は少ない。むしろ営業力が落ちていると感じている経営者が多いのではないか。「営業は足で稼げ。数打ちゃ当たる」といった古い手法をいまだに続ける企業も多いが、気合や精神論だけでは契約は取れない。今は科学的アプローチが必要だ。

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(のべ・たけし)1971年千葉県生まれ。早稲田大学卒業後、野村証券入社。本店に勤務し、リテール営業でトップセールスマンとして活躍。2005年ソフトブレーン・サービスに入社し、執行役員・取締役を経て10年7月から現職。

 当社は営業の体系的理論と実践的ノウハウを持ち、国内30万人以上が実践する「営業プロセスマネジメント」を通じてこれまでに4500社以上の企業の「売れる仕組み」構築を支援してきた。プロセスマネジメントは、古くから製造部門では当たり前に行われてきたマネジメント手法だ。製造部門と同様に営業部門においても、「ターゲットリスト選定→初回面談→引合→提案→見積→受注」に至るまでのプロセスがある。然るべきプロセスを設計し、それを適正に実行、推進できているかを管理し、結果をコントロールしようという考え方が「営業プロセスマネジメント」であり、科学的な組織営業法の第一歩なのである。

 「営業プロセスマネジメント」を実行・推進するために、当社では科学的組織営業への変革のためのコンサルティングや、営業人材育成の支援を行っている。具体的には、月1回程度の研修を基点として、メンバーを集めてワークショップを行い、半年〜1年間で営業成果を実現する。例えば、ワークショップの中で、トップセールスの特徴的な行動や、知恵を引き出してもらう。当社がクライアントにヒアリングすると、業種業界を超えてトップセールスには驚くほど共通項が多い。トップセールスは、自分のやっていることを説明できない感覚論タイプが多い。そこで私たちが気合や根性といった感覚論ではなく、暗黙知を具体的なアクションに落とし込めるよう形式知化・可視化するのである。可視化したスキルを誰もが営業現場で確認できるよう携帯できる「ソリューション営業5ステップ70スキル」のようなシンプルなマニュアルや小冊子、カードなどにしているケースもある。

 マニュアルづくりで大事なのは、やるべきことだけでなく、どう話すかの具体的なトークスクリプトまでを明記することだ。それに基づき、定期的にロープレトレーニングを行い、定着を促す。その際は、必ずマネジャーが同席し、適切なアドバイスをする必要がある。階層別研修だけでは、せっかく明らかになった改善ポイントも、上司・部下間で共有されず、実践されないことが多い。部長と課長、課長と主任というように、職制の上下を同時に集めたダブルラーニング方式にすること。これによって実践的な行動につながり、成果が実現する。

 科学的組織営業のため、当社は筑波大学と共同研究を行っている。他社では過去にトップセールスとして活躍していた方が講師となり研修やコンサルティングを行っているケースも多いが、その多くは個人の経験に基づいて語っている。営業をする上で参考にはなるが、受講生がそれを再現することは難しい。当社は研究を通じて、業界を超えてトップセールスが共通して行っている行動基準を明らかにし、その行動を誰もが再現できる仕組みに落とし込む支援をすることで、成果を実現している。

 トップセールスの特徴的な行動を1つ紹介すると、トップセールスは事前準備にウエートを置く。営業に求められているのは、顧客がどんな問題を抱えているのかをくみ取り、それに対応したサービスを提案すること。顧客の情報を調べるなどの事前準備が極めて重要になる。トップセールスは、事前準備で成約の8割が決まることを知っている。売れるからあのトップセールスは自信がある、と思う方がいたら大間違い。自信があるから売れるのである。そうするためには、自社の商品・サービスに自信を持たせることだ。ライバルを見渡しても、自社の製品は絶対だという信念が持てるくらいでなければ、顧客にも伝わらない。そのために、トップセールスは事前に商品について、顧客について、ライバルについて調べておくのだ。

 日本ではモノづくりの場でプロセスマネジメントが導入され、製造現場では世界で一目置かれる存在になった。営業現場でもプロセスマネジメントの考えを取り入れ、営業の型(仕組み)づくりを進めれば、営業でも世界を驚かせることができると確信している。(談)

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