政治・経済

 2016〜25年度の「住生活基本計画」が、3月18日に閣議決定された。懸案の空き家については、25年度段階で従来の増加ペースを100万戸程度抑えるとする数値目標を政府として初めて打ち出しており、今後は政策面での実効性が焦点となる。

 住生活基本計画は、今後10年間の住宅政策の方針を示すもので、概ね5年ごとに見直しており、現行計画は11年3月に閣議決定された。今回の計画では、子育て世帯への住環境整備やマンション・団地の老朽化対策、急増する空き家への対応を強化する政府の意向が反映された。

 個別目標では、良質な中古物件を適正評価して流通させる仕組みを普及させ、中古住宅の流通市場規模を25年度までに8兆円に倍増させるほか、リフォーム市場を12兆円に拡大する数値目標を明記し、比較的所得の低い子育て世帯や高齢者らに対する住宅供給の安定化を図る。

 また、深刻化する空き家問題については有効活用や撤去を進め、放置すれば23年には約500万戸に増えるとされる空き家戸数を400万戸程度まで抑制。老朽化マンションの対応では、建て替え件数(1975年からの累計)を、現在の約250件から約500件まで倍増させるとした。

 日本国内は人口減少が進む一方、都市部を中心に住宅の新築が進み、地方空洞化や空き家の増加につながっている。政府が今計画で明確な数値目標を掲げた背景には、住宅をめぐる課題の解決が、今後の成長の足かせとなる少子高齢化への対応にもつながっていくとの認識がある。

 石井啓一国交相は「良質で魅力的な既存住宅の流通を促進することで、住宅市場の新たな牽引力を創出する」と述べた。国交省は16年度予算や税制改正で、3世代同居の推進に加え、中古住宅市場の拡大に向けた住宅診断の普及などを掲げており、計画がかけ声倒れにならないよう「間断なく具体策を打ち出す」(国交省幹部)という。

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