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インドでは毎年150万人もの工科大卒業生が誕生している

 2004年、中国の工学部卒業生の数は世界最多の60万人だった。インドは2番目で、35万人、米国が7万人で、ヨーロッパ全体では10万人だった。一方、14~15年にインドでは126万人の工学部生が卒業した。現在、インドで工学部学位を取得することは、明確に良い職の獲得につながるものとなっている。

 インドでは700校の総合大学と3万5千校を超える関連校に2千万人を超える学生が在学し、そのうちの16%が工学とテクノロジーを学んでいる。85%超の学生は学士課程で学んでおり、その過半数は文学士、商業士、理学士の3年課程である。インドの教育レポートによると、国内には3495校の工科大学があり、年間の最大受入可能者数は176万人超、毎年の入学者数は150万人を超える。

 インドの工科大学は、06~07年は1511校であったものが、14~15年には3495校という驚くべき数になった。

 インドでは、中等教育を終えた生徒のほとんどが、工学を専攻したがっている。それに続くのは、医学、公認会計士、法律家などだ。生徒やその家族にとって、工学の学位がより名誉あるものになったのが原因である。サービス産業が急発展する中で、若い世代の親たちは自分の子どもにより優位な人生を歩むためには工学の道を進むよう言い聞かせている。

 インド工科大学(IIT)は、インドで最も名門の工科および科学技術の総合大学として認知されており、学習環境、研究の量や影響力などの基準に従って最良の教育を提供する多くの総合大学から構成されている。インド工科大学の入学許可を得ることは、米国のハーバード大学やMITに入学するよりも難しいと言われている。

 IITに入学できるのは全応募者の2%に満たず、入学試験を通じて決定される。これがIITと他の工科大学との違いを生む最初の要因だ。試験は一般的に知性を測る良いフィルターと考えられており、優秀な人材を集積させる機能も果たしている。

 IITの学生は、インドの他のほとんどの大学の学生に比べて同級生との関係がより緊密だ。その主因のひとつは、全学生の80%を収容できるIITの寄宿舎にある。キャンパス内でお互いに近い距離で4年間を過ごすことで、IITの学生は、勉強時間以外も同級生と一緒に過ごすことが多い。こうした環境は、学生たちの野心、自信、思考プロセス全体に直接的な影響を与える。

 IITが設立されたのは1960年代だが、70年代~90年代にIITを卒業して専門分野で成功を収めた人の数は、同じ時期の他の大学の卒業生と比べて非常に多数に上る。このことは、IITの業績評価を築くことになり、さまざまな産業でIITのブランド認知度を高め、学生にとってより多くの機会をもたらした。

インド内では工学系職の需給アンバランスでエリートが海外に流出

 インドの高等教育は巨大かつ複雑なシステムだった。IITを卒業したにもかかわらず、60年代~80年代には多くの学生がさらなる研究・調査のために米国に向かった。米国は、研究の場としての第一候補だった。インドの頭脳流出は、工学やビジネスの修士号や博士号を求めて米国に向かうIITの学生に限定されている。

 インドではエンジニアに対する職の創出が追い付いていないことが頭脳流出の問題になっている。IT産業を養う全体的な生態系が築かれたことによって、機械や電気といった分野のエンジニアの多くもITのアウトソーシング企業で職を得ることができた。現在では、誰もが工学の学位を欲しがっており、卒業生の数が市場の供給を上回っている。雇用可能性の問題が、現在のエンジニアにとってより大きな課題になってきている。

 インドでは法律家、建築家、心理学者が不足しているという研究もある。エリート工科大学の全生徒を教えるには教授の数が十分ではない。大抵は、通う学校の決定から受ける科目までのプロセスに生徒の家族全体が関与する。親たちは、自分の生活は後回しにして、休暇を取りやめ、娯楽は控える。高等教育の授業料を支払えない者は、多額のローンを組む。生徒たちは、休みなしで1日何時間も学習クラスに参加し、数学と科学を繰り返し訓練する。この2つは厳しい入学試験に合格するためにマスターしなければならない科目だ。特に学校での最後の2年間、意欲的な生徒は一切のカリキュラム外の活動は諦め、1日12時間以上も本に没頭する。

 エリート大学に入学するために若者が負う精神的負担と仕事の選択肢が少ないことを除いて、工学の学位に対する願望は、今や何十年にもわたってインド人の心をとらえている。

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