政治・経済

 観光庁が幹部陣を一新、国土交通省官房長から昇格した久保成人長官を中心に、政府の「2030年に年間訪日外国人数3千万人」目標に向けてエンジンを本格始動させている。

 日本政府観光局(JNTO)が発表した7月の訪日外国人客数(推計値)は、前年同月比で18・4%増の100万3100人と、単月ベースで初の100万人突破で過去最高。6カ月連続で前年同月を上回り、今年1~7月の合計も前年同期比22・0%増の595万7700人と過去最高を更新した。

 円安による日本への旅行の割安感に加え、7月からタイやマレーシアなど東南アジア5カ国の旅行客に対するビザの発給要件が緩和されたことが追い風となった。観光庁の久保長官は「インドやロシアなど、東南アジア以外の国についても訪日ビザの緩和を検討したい」と話し、団体客だけでなく、個人旅行客もターゲットとした支援策を講じる意向を示した。

 国・地域別では韓国が前年同月比28・6%増の24万4千人と最も多く、次いで台湾が48・7%増の23万8500人。訪日ビザの発給要件が緩和された東南アジア5カ国は、タイが84・7%増の3万200人、マレーシアは25・2%増の9900人となるなど、高い伸びを示した。

 一方、尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐって関係悪化が続く中国は、主力の団体旅行客が引き続き落ち込んでいるため、31・5%減の14万人だった。反日デモ後の昨年10月から10カ月連続の前年同月割れとなる。

太田昭宏国交省

太田昭宏国交省

 政府は訪日外国人客数で今年、年間1千万人の目標を掲げており、太田昭宏国土交通相は「現在の状況で進んでいけば1千万人ぎりぎり」と達成は可能としている。観光庁は国土交通省航空局との人事交流が盛んで、7月に航空局から異動した佐藤善信次長、篠原康弘審議官を軸に特命チームを編成。これまで「発信力が乏しかった」(国交省幹部)といわれていた姿勢を転換し、「攻め」の観光戦略を打ち出す。日中関係で低調な中国人観光客は個人渡航にターゲットを絞る一方、今秋にはインドネシア・ジャカルタにJNTOの事務所を開設。イスラム圏の観光客誘致にも本格的に乗り出す。

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