政治・経済

 国際会計基準(IFRS)の適用を巡って議論が続いてきた金融庁の企業会計審議会の結論が、6月19日にようやく出た。

 2009年6月にIFRSの任意適用や将来的な強制適用についての考え方を示してから約4年。日本企業の会計基準が大きく変わるとされたIFRSについて、強制適用は当面見送りと任意適用の拡大を目指すこと、そして日本の会計基準を一部取り入れた日本版IFRS(J-IFRS)を新設することで落ち着いた。

 11年6月に当時の自見庄三郎金融相が急遽、強制適用を撤回すると宣言。さらにその後、12年7月には米国でもIFRSの強制適用が延期されるなど取り巻く環境も急変し、10年3月期から日本でも任意適用は可能になったものの、導入済みと導入予定の企業を合わせても現時点で約20社にとどまっている。

 IFRSを採用または採用を予定している企業は製薬会社や商社など海外で積極的にM&Aを行う企業が多い。日本基準では買収後に一定期間かけて、費用として支払う「のれん代」がないためだ。導入済みの企業からは「グローバル化に不可欠」といった声があがるが、会計システムの改修など負担が大きいこともあり、普及は進まなかった。

 今回の決定で日本には日本基準、米国基準、J-IFRS、IFRSの4つの会計基準が混在することになる。金融庁は、J-IFRSの導入やIFRSの任意適用の条件緩和で普及を図る考えだが、既に会計審の一部委員からも「基準が多くて混乱する」といった指摘が出ている。強制適用の時期は明示されず、導入の旗を振ってきた大手監査法人からも「将来の方向性も示してほしい」といった声も上がる。

 自見前金融相の「政治決断」による迷走と研究開発費やのれん代の扱いをめぐって反対論が根強かった産業界の要望に配慮し決着した今回の結果。会計基準を国際基準に合わせ、投資家に対し日本企業の経営の透明性をアピールする当初の目的はいつの間にか置き去りになっている。

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