政治・経済

 またもや麻生太郎財務相の失言が飛び出した。7月29日夜の東京都内での講演で、麻生氏は憲法改正をめぐり、戦前ドイツのナチス政権を引き合いに、「手口を学んだらどうか」などと発言。8月1日に撤回したが、内外の反発は強く、今後の政権運営の火種になる恐れもありそうだ。

「ドイツのワイマール憲法は、ある日、気付いたらナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか」

 麻生氏は講演でこう述べ、憲法改正は静かな環境の中で議論すべきだ、との考えを強調した。

 この発言に対して、直後から批判が相次いだ。韓国外務省は7月30日、「侵略被害を受けた周辺国にどう映るかは明らか。たくさんの人を傷つける」と反発。3日には、中国外務省が「近隣諸国や国際社会の懸念を引き起こす」との談話を発表した。国内では、社民党が麻生氏の辞職を要求するなど、野党を中心に反発が広がっている。これを受け、麻生氏は8月1日、財務省内で記者団に対し「誤解を招く結果となった」として、談話を撤回するむねを発表した。

 麻生氏は、「私は、憲法改正については、落ち着いて議論することが極めて重要であると考えている」とした上で、この点を強調するため、「喧噪にまぎれて国民的理解および議論のないまま進んでしまった悪しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法にかかる経緯を挙げた」と述べた。ナチスやワイマール憲法をめぐる過程については、「否定的にとらえている」とした。

 この発言撤回を受け、安倍政権は、特に責任を問わない構えだ。

 失言は、首相時代からの麻生氏の〝お家芸〟だ。就任間もない今年1月にも、終末期医療について、「死にたいと思っても生かされたらかなわない」「さっさと死ねるようにしてもらわないと」などと口をすべらせている。

 秋の臨時国会では、野党が激しい追及をみせる可能性がある。折しも、安倍首相が来年の消費税増税を判断する時期でもあり、政権は国会運営に苦労するかもしれない。

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