政治・経済

 財務省に、消費税再増税の延期「致し方なし」のムードが広がりつつある。安倍晋三首相は5月26、27両日の伊勢志摩サミットでの議論を踏まえて再増税の是非を判断するが、もたつく世界経済の下支えに向け日本国内での大規模な財政出動を国際公約する考えで、景気最優先により、予定通りの再増税はもはや難しいと見ているためだ。

 安倍首相は5月2日、訪問先のイタリアで、消費税再増税の是非についてサミットでの議論を踏まえ結論を出すとの見解を示した。安倍首相は、サミット開催を前にした欧州訪問中、世界経済の減速懸念を払拭するためには、公共事業などを主体にした財政出動が欠かせないとの認識をことあるごとにアピールした。2月の中国・上海と、4月の米ワシントンで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、財政に余力のある国が景気対策を打ち出すとする声明が採択されたことを念頭に置いたものだ。サミット議長国の日本としては、同会合の場で、財政出動に取り組む姿勢を国際社会に表明し、日本の地位を高めたい考え。安倍首相は、再増税についてリーマンショックや大震災のような状況でなければ確実に実施するとしてきたが、国際社会からの日本に対する財政出動への期待を理由に見送る公算が高そうだ。

 財務省幹部は「消費税再増税の見送りはもはや既定路線だろう。ただ凍結でなく、いついつに増税を実施と明記できるように取り組みたい」とするなど、視線は先を向き始めている。

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