政治・経済

 大手銀行などの金利リスクに対する新たな国際規制の枠組みが決まった。銀行が保有する国債などの金利が上昇(価格は下落)して損失が出た際のリスクへの対応が焦点となり、各国一律で規制を厳格化する案と、各国当局が銀行の収益などに応じて柔軟に監督する案の2案で検討されたが、日本が支持してきた後者で決着した。国債の保有割合が多い邦銀にも安堵感が広がっている。

 主要国の銀行が加盟するバーゼル銀行監督委員会が4月、新規制の最終文書案を公表した。2018年に適用を開始する予定。国際的に活動する銀行が対象となり、日本では3メガ銀行のほか、一部地方銀行も含まれる見込みだ。

 新規制は金利が上昇した際の損失額を銀行が算定し、自己資本の15%という基準を超える場合に、当局が自己資本の積み増しなど対応を求める仕組みだ。ポイントは金利リスクを銀行独自の手法に基づいて見積もる点。仮に15%を超えてもただちに資本増強を求めず、銀行の資産や収益の状況に応じてリスク管理の改善などで済ますこともできるなど、実質的に各国当局の裁量を委ねられる。

 実は昨年6月に素案公表時は異例の二案併記だった。今回採用された案のほか、金利リスクを各国共通の計算式で算出して、一律に規制し、その上で銀行には金利リスクに応じて必要な自己資本を積み増すよう求めるより厳しい案が示されていた。

 一律規制案を主張したのは欧州当局だ。欧州債務危機ではギリシャ国債の価格が急落して銀行経営が悪化し、危機の拡大に拍車がかかったこともあり、金利リスクをより厳しく見積もる規制を求めた。一方、日本は「国ごとに金利リスクの性質は違う」として反発。邦銀が抱える国債は他国に比べて多く、一律規制が導入されれば、大幅な自己資本の積み増しや国債売却を迫られるからだ。銀行の国債保有が多い米国も反対してきた。

 明暗を分けたのは厳しい一律規制に対する銀行業界からの強い反発だったようだ。バーゼル委は「銀行業界からのフィードバックに留意し、現行システムの強化でより適切に対応できるとの結論に至った」と説明した。新規制が導入されても3メガ銀にとっては「現状のままでも15%を達成できる可能性もある」との声もあり、影響は限定的とみられている。

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