政治・経済

「影の銀行」が中国の過剰投資の元凶

 7月19日から2日間、モスクワで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、中国の過剰投資の元凶とされる「影の銀行(シャドーバンキング)」問題が取り上げられた。中国で資産バブルが弾け、経済が冷え込めば、日本への打撃も計り知れない。財政・金融当局は、事態を注視している。

「誰も実態をつかめていない状況が、不安心理をあおっている」

 麻生太郎財務相は、16日の閣議後会見でシャドーバンキングについて、こう警戒感を示した。さらに、「中国は不動産バブルが弾けつつある。中国の経済成長率に、大きな影響を与える可能性がある」と述べた。

 シャドーバンキングとは、銀行融資を介さず資金を調達する取引のことで、政府の監督が届きにくい。高利回りの金融商品を作ってお金を集め、企業や地方政府に貸し出す。お金はさらに不動産投資に回り、地価の高騰などに拍車を掛けてきたとされる。規模は数百兆円に上るとされるが、実態は不明だ。

中国経済の減速で「影の銀行」への危機感が高まる

 中国は、輸出の鈍化などを受け、景気が減速している。4~6月期の実質GDPの伸び率は前年同期比7・5%と、2四半期連続で伸びが鈍化した。

 今後、収益の落ちた企業や、税収の下がった企業がお金を返せず不良債権化すれば、バブルが弾ける恐れがある。麻生財務相は、「仮にシャドーバンキングの規模が400兆円とすれば、日本の国内総生産(GDP)の80%が吹っ飛ぶという話で、影響は確実に出る」と話した。

 今後の焦点は、習近平政権がシャドーバンキング問題に対し、金融規制などの対策をどのように打ち出していくかだ。

 7月10日の米中戦略・経済対話でも、バイデン米副大統領が演説の中で、シャドーバンキング問題の「早急な修復」を迫るなど、国際社会の関心は高まっている。

 日本にとっても、中国経済の混乱で対中輸出が打撃を受けるなどすれば、影響は計り知れない。安倍晋三政権のデフレ脱却のシナリオも、「絵に描いた餅」に終わりかねない。

 
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