政治・経済

 三菱自動車の燃費データ不正問題をめぐり、国土交通省の対応に注目が集まっている。不正がスズキなど業界全体に広がりを見せる中、国の自動車審査への信頼性が揺らいでおり、国交省は不正の全容解明と再発防止に向けた審査方法の見直しを急いでいる。

 自動車の燃費は、メーカーがテストコースで対象車を走らせ、空気抵抗やタイヤの摩擦などを数値化した「走行抵抗値」を国に申告し、その数値を基に国が計測する。だが三菱は燃費を良くみせようと、抵抗値を法律とは違うやり方で測定したほか、実際に車を走らせずに他の車種を参考に机上計算するなどしていたことが判明した。

 原因究明に向け、国交省は三菱に再三の報告を求めたが、三菱側はあいまいな回答に終始。本社への立ち入り検査を経て、4度目の報告で「競合車との競争に勝つため、経営陣からの強い燃費向上の期待を背景」に不正が行われたとする報告書を提出した。石井啓一国交相は「さまざまな不正を重ねてきたにもかかわらず極めて遺憾」と三菱側の姿勢を批判した。

 ただ、今後の対応は一筋縄とはいかなそうだ。国交省は不正のあった軽自動車の燃費を再計測するほか、審査方法の見直しを議論する有識者会議を立ち上げたが、メーカー任せだった計測の仕組みを変えるには、コストの増加や行政手続きの煩雑化といった影響も考慮する必要がある。

 検討している三菱への処分も頭の痛い問題だ。道路運送車両法は、今回のような不正なやり方で抵抗値を申告することが想定されておらず、「ぴったり当てはまる罰則規定がない」(国交省関係者)。法軽視に対する国の断固とした態度を示すには、関係法令の広い検討が欠かせない。

 加えて、日産自動車が三菱への支援を明らかにしたことによる国民の“収束ムード”も逆風となる可能性がある。国交省幹部は「三菱の経営面での問題は緩和されたかもしれないが、それと不正は分けて対応していく」と強調している。

三菱自燃費不正問題で甘い幕引きのナゼ?

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