政治・経済

 政府は6月2日、経済財政運営の指針「骨太の方針」と、働き方改革などの政策を盛り込んだ「ニッポン1億総活躍プラン」を閣議決定した。安倍晋三政権が目指す「名目国内総生産(GDP)600兆円」のための環境整備として、育児、介護支援などの社会保障分野を重点化した。ただ、安倍首相が消費税増税の再延期を決めたことで財政健全化は危うさが増しており、今後、どこまで確実に財源を引き出せるかが課題となりそうだ。

 骨太の方針は、少子高齢化を背景にした労働力人口の減少に対応するため、社会保障分野が重要であることを強調した。秋にも政府が追加経済対策をまとめることを念頭に、プレミアム商品券といった消費刺激策も盛り込んでいる。

 消費税率10%への増税に関しては、「2019年10月まで2年半延期する」と明記し、20年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を黒字化するという財政健全化目標は堅持した。これに対し1億プランは、社会保障関連の政策をより具体的にし、非正規労働者の待遇を改善する同一労働同一賃金など43項目を列挙している。

 安倍首相は、閣議に先立ち開かれた経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で「少子高齢化などの構造的問題に真正面から取り組み、成長と分配の好循環を全国津々浦々まで波及させて、戦後最大のGDP600兆円を目指す」と意気込みを述べた。

 ただ、政策の実行を担保する財源の手当てには、不安がつきまとう。骨太方針では、消費税増税の再延期を示す一方、財政健全化目標を維持したが、消費税がなくなった部分の財源を確保できなければ、目標達成は不可能だ。しかし、代わりとなる財源は示していない。

 また、骨太や1億プランが中心に据えた社会保障政策の財源も、景気回復を前提とした税収増を頼りとしており、不安定だ。今後、厳しい歳出削減に対する国民の理解を求める必要が出てくるのは間違いない。安倍政権の覚悟が問われそうだ。

消費回復に水を差す消費税再増税を熱望する財界

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