政治・経済

 相変わらず政府のドローン熱は高まるばかりだ。経済産業省や総務省は小型無人機「ドローン」の運航管制システムを2018年にも実用化するという。宅配などドローンの商用利用に向けた環境整備の一環で、管制によりドローン同士の衝突などを防止するのが目的だ。安倍晋三首相は2018年までにドローンの荷物配送の実現を明言しており、政府は来年の通常国会でドローンの商用利用に向けた航空法改正案の提出を目指す模様。

 来年度の管制システムの実験に、経産省だけでも約80億円の予算計上する見込みだ。「総務省や国交省などの関連予算も含めると100億円を超える可能性がある」(経産省幹部)とされ、実証実験としては異例の規模で行われる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)やベンチャー企業、大学など専門機関とも連携し、ドローンによる宅配などが許可されている千葉市内の国家戦略特区での実施を予定している。人工知能(AI)を活用した自動運航管制の可能性も探り、18年に無人地帯で管制システムの運用を始め、20年以降に有人地帯での実用化を目指す計画。

 日本としては他国に先駆けてシステムを実用化させ、国際標準化を進めたい考えだが、欧米に比べ、環境整備や技術開発でかなり遅れているのが実態だ。米国では6月21日に商用ドローンに関する規制・運用ルールを発表し、既に米航空宇宙局(NASA)は15年から管制システムの実証実験も開始。ドイツでは運輸省と航空管制で一部制限空域で運航管理を実施している。

 こうした状況を踏まえ、日本の実証実験ではNASAや欧州の関係機関などとの連携も検討しているという。まさに「欧米との差を埋めるためにも、なりふり構っていられない」(政府高官)状態のようだ。

 日本は18年に自動車の自動運転システムの市販化を目指しているが、米国ではその自動走行実験中に死亡事故が起こり、安全性の課題が浮き彫りになったばかり。欧米の技術革新の差を埋めようと焦る気持ちも理解できるが、安全性の担保だけはしっかりと行ってもらいたい。

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