政治・経済

 6月24日、英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決まり、世界経済に悪影響が広がる心配が強まっている。日本に関しては、円高による輸出の減少が進むことで企業業績が悪化することなどが懸念されており、市場では、国内総生産(GDP)が1%押し下げられるとの試算も出ている。安倍晋三政権に対しては、日本経済を底上げするための財政支出を求める声が強まりそうだ。

 英国の国民投票が「離脱」の結論を出すことを、日本政府は全く予想していなかった。石原伸晃経済再生担当相は24日に開いた緊急会見で「予想していなかった」とした上で、「世界経済の動向をこれまで以上の緊張感で注視し、対応に万全を期す」と述べた。

 日本経済への悪影響を与える要因として最も懸念されるのは金融市場の混乱だ。安全な資産と考えられている円に投機マネーが流れれば、円高が進み、日本からの輸出は減る。同時に株安が進めば、消費者心理が冷え込み、モノの売れ行きが落ちる。

 大和総研は、2008年のリーマンショック並みに世界経済の実質GDPが1.3%落ちた場合、円高が15%進み、東証株価指数(TOPIX)が20%落ちれば、日本の実質GDPは1.11%減るとしている。

 これに加え、英国には日系企業の拠点が1千カ所以上ある。EU離脱で、英国から欧州への日系企業の輸出品に関税がかかるようになれば、日系企業にとって収益悪化要因になり、悪影響はさらに拡大する恐れがある。

 一応、足下の金融市場は落ち着きを取り戻している。離脱決定後、6月24日に1万4800円台まで落ちた日経平均株価は、7月15日には、高値が1万6600円台まで回復した。

 ただ、英国の離脱交渉は最低2年かかり、この間、ほかの国や地域による離脱の動きが広がれば、市場は再び混乱に向かいかねない。日本政府は、デフレ脱却の道筋を腰折れさせないよう、慎重に世界経済を見極めながら、行動していく必要がある。

GDPプラス成長も実情は悪化

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