政治・経済

存在そのものが否定される危機

 09年の10月8日、連合の第11回定期大会で会長に就任した古賀氏。民主党政権の平野博文官房長官と同じ松下電器産業労組出身で、平野氏以外にも川端達夫文部科学相、直嶋正行経済産業相、赤松広隆農林水産相、仙谷由人行政刷新会議担当相ら7人の連合組織内議員を輩出しており、当時は得意の絶頂だった。

 連合は一時期、800万人組合員を擁し当時の総労働組合員1200万人の3分の2を占めたことがあるが、今では680万人にとどまっている。古賀氏は3選後の会見で「反転攻勢する道筋をつけることが私の役割だ」と抱負を語ったが、流通・サービス産業を中心にパート・アルバイト、派遣、契約社員など非正規社員が増加。連合の役割は低下している。

 組織率低下に悩む連合はパート社員を労組に取り込むために非正規労働者の組織化を進めてきたが、わが国には「同一労働価値労働・同一賃金」の原則はなく、同じ仕事をしても所属する企業、そして正社員と非正規社員とでは待遇に大きな格差があるのが現実だ。

 「賃金交渉は労使の専権事項」と古賀氏は言うが、経営側は「首相の要請に応えないわけにはいかなくなった」と連合の頭越しに賃上げに動いている。連合としても「賃上げするな」ということは口が裂けても言えず、まさに存在そのものが否定される危機にあるのだ。

 今や非正規労働者は全労働者の4割弱を占めるようになった。非正規労働者や労働者の約7割を占める中小企業労働者の待遇改善をないがしろにしてきた「正社員クラブ」のツケは大きいと言わざるを得ない。

(ジャーナリスト/中島恵介)

 
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