マネジメント

「常識的な考えに染まらない。社員が働いている時には遊ばない。いつも社員と一緒に仕事をする。それが私の信条だ」

 青山商事は「洋服の青山」でお馴染みの紳士服チェーンを展開する企業。青山氏はその創業者。1930年、府中市生まれ。父親が教育熱心で、4人の兄のうち2人が東京大学、2人は東京工業大学に進学した。青山氏も優秀で旧制府中中学4年の時に鹿児島市の旧制七高を受験。ところが、学科試験はパスしたものの、健康診断で不合格となってしまう。

 その時には自覚症状がなかったのだが、五年生になると原因不明の発熱が続くようになり、休学して自宅療養することに。半年ほどすると、何とか熱は出なくなり、中学は卒業できたものの、長期に渡る休学で高校進学は断念。自宅近くの大蔵省専売局(現・日本たばこ産業)府中支局に就職することになった。やむを得ない理由だったが、兄たちに負けたくないという気持ちが起き、「30歳になって世間から信用されるようになったら商売で一旗あげるしかない」と心に誓ったという。

 1964年、自宅を改造して青山商事を設立。単独店経営が常識といわれる紳士服の世界でチェーン店制度を導入。国内初の郊外型店、完全買い取りの仕入れ、多店舗展開による大量販売など、流通業界の常識に囚われないビジネスモデルを打ち出して急成長を遂げた。しかし、青山氏が青山商事を設立した当時、社員はわずか4人。社員と酒を酌み交わしながら「会社が大きくなっても経済界には入らない」「ゴルフをしない」「自家用車には乗らない」と話したという。斬新なアイデアだけではなく社員の目線で働くトップだからこそ急成長できたのではないだろうか。[提供:経営プロ]

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