政治・経済

 内閣府は8月にまとめた報告書「世界経済の潮流」で、中国で不良債権に計上される恐れのある銀行の要注意債権の残高が、2年で倍増したとの内容をまとめた。

 報告書では、中国国有企業による固定資産投資も急増しているとも指摘し、リーマンショック後に膨らんだ過剰設備問題への警戒を促した。前後して、民間シンクタンク大手の日本総合研究所も、中国の推定不良債権が、公式統計の10倍に上るとの試算を公表。最悪の場合、金融危機に陥りかねない中国経済の先行きに、官民が危機感を強めている。

 内閣府は「世界経済の潮流」の中で、「中国の景気が減速する中、要注意債権の不良債権化に注意が必要だ」と指摘した。中国の定義で不良債権のワンランク前とされる「関注」債権は今年4~6月期の残高が3兆2千億元(約48兆円)に達し、2年前の2倍にまでなったという。内閣府はさらに、今年、中国国有企業によるインフラ投資の増加率が急速に伸びているとも指摘。過剰債務や過剰設備のリスクに警鐘を鳴らした。

 民間で話題になったのは、日本総研がまとめたリポートだ。独自の手法で中国の上場企業2327社を分析したところ、223社が「潜在的に危険な企業」に該当。借入金ベースの比率は、全体の8・6%に上ったという。

 この比率を、公式な統計ではカウントされない非上場企業向け融資などを含んだ中国全体の貸出額にあてはめて推計すると、金融機関の潜在的な不良債権の残高は昨年末で12兆5千億元(約190兆円)。中国政府が発表している不良債権残高1兆2744億元(約19兆円)の10倍に達した。

 仮に構造改革などによる不良債権処理が進まなければ、中国は、銀行の連鎖破綻から広がる「金融危機」に至りかねない。

 内閣府は、9月の月例経済報告でも、日本の景気の下振れリスクの一つに中国経済の減速を挙げた。中国経済のまさかの激変に耐えうる強い内需をどこまで作れるか、日本経済の課題といえそうだ。

 

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