経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

クリケット以外にインドで行われているスポーツとは

インドではスポーツ発展のための適切な投資がなされず

 インドのスポーツの歴史を語るにはベーダ時代にまで遡らなければならない。古代インドのヒンドゥー教の宗教儀式では、完璧な身体が重視されていた。

 紀元前5千年の古代インドの時代から、人々は馬車競技、弓術、軍戦略、剣術、水泳、レスリング、狩猟など多くのスポーツをしていたことが明らかになっている。

 だが、インド独立以前と現代のインドでは貧困、栄養失調、菜食主義の普及、設備軽視により、スポーツの発展に対して適切な投資がされず、学校教育ではさまざまなスポーツ活動が不足し、大人は自分の余暇で運動する時間が不足している。

インドで現在行われているスポーツは?

 現在の農村部や都市部の大学や、全国大会、家庭、学校で競技されているスポーツを以下に記載する。

1.ギリ・ダンダ:短いスティック“ギリ”と、長いスティック“ダンダ”を使ったクリケットに似たスポーツ。ボールの代わりに短いスティックの“ギリ”が使われる。主に小さな町や村で競技されている。

2.カンチャ:“カンチャ”と呼ばれるビー玉を使い、インドの町や村で競技される。祭りの季節は、さまざまな地域で競技され、このスポーツ大会で終わる。

3.バドミントン:非常に人気のあるスポーツであり、2千年前のインドに起源があると考えられている。

4.バンディ:一般的にインド北部で競技されている氷上球技。

5.ボクシング:人気がないが、熱心な競技者が少数いる。

6.クリケット:最も人気のあるスポーツ。1650年頃にイギリスから入ってきてから、メジャーなスポーツの一つになり、大勢の観客が詰め掛けるようになった。

7.サイクリング:地方で始まり、村の周りや長距離間を移動する。

8.ゴルフ:インドでは最近のスポーツ。富裕層に人気がある。今ではインド各地に数多くのゴルフコースがある。1829年頃、イギリス統治の影響で、イギリス国外で初めて創設されたゴルフ場が、コルカタ地方にあるロイヤル カルカッタ ゴルフ クラブである。

9.アイスホッケー:主にジャンムー・カシミール州のヒマラヤ地域のラダックで競技されている。

10.カヤック:インドのフラットカヤッカーはアジア地域の中でも強力なチーム。本格的なフラットウォーターカヤックと、少数だが簡単にできるカヤックがある。インド人旅行者にとってカヤックは旅行先での一度きりのアクティビティーで、継続的なスポーツとは考えていない。

11.カバディ:基本的にはインドが発祥とされている。最も人気のあるスポーツの一つであり、多くは村で競技されている。

12.コーコー:インドの伝統的なスポーツの中でも最も人気のあるスポーツの一つ。多くの歴史学者達は鬼ごっこの変化したものが起源と考えている。コーコーは学校や地域、全国大会で競技されている。

13.テニス:都心部に住むインド人に人気。しかし、4大国際大会(グランドスラム)の個人戦では、インド出身選手は大した結果を残せていない。

14.マウンテンバイク:人気になりつつあるスポーツ。競技参加者は、インド陸軍、空軍などに所属し全国的または国際的に活躍している者が多く、多くはエネルギッシュな若者たちだ。

15.ラグビー:他のスポーツと同様にイギリスが起源であり、イギリス統治時代にクリケットと一緒にインドに伝わったので、ラグビー協会は長い歴史がある。記録によると初めての試合は1872年のクリスマスにカルカッタで行われた。

16.スローボール:競争競技としてインドで人気になりつつある。インドの権力者は、スローボールをアジアレベルから世界レベルへ成長させようと尽力した。学校、クラブ、大学などで広く競技され、選手達は世界レベルの技術を持っている。

17.バレーボール:インド国内で都心部や郊外などどこでも競技されている。大学生や学生たちに人気のスポーツだ。

18.カーレース:人気がなかったが、多くの著名人が観覧したことで人気を集めた。2011年から3年間はインドでもF1が開催されていたが、14年以降開催されていない。

スポンサー不足でどのスポーツも世界レベルには達せず

 イギリスによる長い植民地時代から独立後のインドでは、クリケットが最も人気がある主要なスポーツだ。今日でも村の祭りの最中に多くの伝統的なスポーツ競技が開催され、特定の地域や地方の委員会の主催で、優勝者を称える表彰式などを執り行っている。

 しかし、どのスポーツ競技もスポンサー不足により、世界レベルに達していない。

筆者の記事一覧はこちら

経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界ウェブトップへ戻る