政治・経済

20161220kokudo

 北陸新幹線の敦賀(福井県)以西の延伸ルートをめぐり、国土交通省が11月中旬に与党のプロジェクトチーム(PT)に示した費用対効果などの試算結果が波紋を広げている。営業主体のJR西日本が難色を示している米原(滋賀県)から東海道新幹線に接続するルートが最も費用対効果が高かったためだ。与党は年内に一定の方向性を出すとしているが、絞り込み作業は難航が予想される。

 1を超えれば経済効果が建設費などを上回るという費用対効果の試算について、結果では米原ルートが2.2、小浜(福井県)から京都へ南下する小浜ルートが1.1。舞鶴(京都府)を経由する舞鶴ルートは0.7で「投資に見合わない」とされた。

 建設費は米原ルート(50キロ)が5900億円、小浜ルート(140キロ)が2兆700億円、舞鶴ルート(190キロ)が2兆5千億円。工期は距離が短い米原ルートが10年で残りの2案は15年だった。新大阪までの所要時間は小浜ルートが最短の43分で舞鶴ルートが60分、乗り換えが必要な米原ルートは67分だった。

 米原ルートは東海道新幹線の線路利用を想定しているが、過密ダイヤなどがネック。JR西も一貫して消極的とあって、もともとの下馬評は低かった。ただ、税金を投じる整備新幹線では費用対効果が重要条件の一つ。試算が示されたPTでは「積算根拠を示してほしい」などの意見が出された。

 どんでん返しもあり得る状況に、“本命視”されていた小浜ルートの支持者は「費用対効果以外の要素もあるので勘案してルートを選ぶべき」と動揺を隠せない様子。石井啓一国土交通相は数日後の閣議後会見で「ルート選定は与党で議論されるので見守りたい」と言葉を選んだ。

 経済効果が高い新幹線誘致に向け、自治体の陳情も熱を帯びている。PTは年内の方向決めに向け、JR西や関係自治体からも意見を聞く方針だ。

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