政治・経済

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イラスト/のり

米大統領選、都知事選と波乱に終わった2016年

 今号は2016年最後になる。そこで、激動の16年を振り返ってみたい。国際的なニュースはダントツで米大統領選だろう。下馬評では圧倒的に優位だった民主党のヒラリー候補を破り、共和党のトランプ氏が次期大統領に当選した。

 9月19日午後(日本時間20日朝)、安倍晋三首相とヒラリー氏が会談した。決戦投票まで2カ月を切るタイミングでの会談は異例中の異例。外務省はクリントン陣営からの要請だったと説明したが、もはや勝敗はついていて、いち早く次期大統領との会談で、日米の蜜月ぶりをアピールしたかったとの思いが滲み出ていた。

 それをあざ笑うかのようなトランプ氏の勝利。慌てて電話会談後、すぐさま11月17日夕(日本時間18日朝)、ニューヨークのトランプタワーに駆け付け、“トランプ詣で”を行った。安倍首相はトランプ氏を「信頼できる指導者だと確信した」と持ち上げた。ところが22日、トランプ氏は17年1月の大統領就任初日に実行する政策を示したビデオメッセージを公表。それによると、「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)からの離脱の通知を出すつもりだ」と、選挙後初めてTPPについて言及したのだ。まさに寝耳に水。はしごを外された格好の安倍首相だと言えるだろう。

 このトランプ大統領を軸に、世界は今後どうなるのか。17年はフランス大統領選、ドイツの連邦議会選挙があり、それによって国際情勢がどのように変化していくか、注目される。

 国内に目を向ければ、一番のトピックスは小池百合子東京都知事の誕生だろう。舛添要一前都知事辞職に伴う夏の都知事選は、自民党衆院議員だった小池氏が自民党の公認を得られないまま無所属で出馬。

 小池氏はグリーンのスーツを身に纏った“百合子グリーン”で旋風を巻き起こし、都知事選史上4番目に多い約291万票を獲得、当選した。都知事就任後は、築地市場の豊洲移転問題、東京五輪・パラリンピックの会場問題、さらには情報公開をはじめとした都政改革の行方など、今なお全国区の話題として注目を集めている。

 また、小池氏が立ち上げた勉強会「希望の塾」は、17年夏の都議選を見据えたものとされ、新党設立となるのか、それとも無所属ながら“小池チルドレン”としてどれだけ立候補者が出るのかが今後の関心事となる。

 そのほかにも内政を見回すと、参院選があり、16年前半には民進党の誕生もあった。地方議員の杜撰な政務活動費の使用問題も引き続き注視していかなければいけない問題だろう。しかし、個人的に大きな出来事は、5月10日号でも書いた乙武洋匡クンの不倫騒動だった。

 あれから10カ月余、久しぶりにテレビ番組(フジテレビ系「ワイドナショー」)に出演した乙武クンは元気そうに見えた。というか、気丈に振る舞っていたように感じた。報道後、夏に離婚し、今も自粛生活を続けている乙武クンは、松本人志氏らの質問に誠心誠意、答えていた。

 身から出たサビとはいえ、相当辛いだろう。乙武クンはかつて、政党を作ろうと考え、党名を「自由立志党」と考えたこともある。略すと「自立党」だ。国際社会の中での自立、多様性社会を構築する上での自立……。志を立て、自由に生きるため、自立が必要だと説くこのネーミングセンスに舌を巻いた記憶がある。

 彼の“火遊び”の代償は、あまりにも大きい。過去は消せるものではないし、今後も付いて回ることは想像に難くない。しかし、一方で彼が積み重ねてきた実績も帳消しになるものではないし、志してきたものが間違っているとは思えない。ハンディキャップがある人が、それをマイナスととらえず、新しいモノの見方を発信し続けてきた功績はとてつもなく大きいと今でも思っている。

 いつになるのか分からないが、乙武クンの今後の活躍を温かく見守っていきたい。

衆院選挙区区割り見直し、皇位継承などが焦点に

 さて、年の瀬にまたぞろ解散総選挙の話が浮上している。早ければクリスマス解散説、年明け早々の1月10日解散説など、永田町は相変わらずざわついている。今後、安倍首相がどのような判断を下すのか、注目が集まっている。

 17年の政治スケジュールで大きなエポックとなるのは、衆院選挙区の区割り見直しと、天皇の生前退位・皇位継承問題だ。これに景気の行方がどう絡んでくるかで、政治の方向は大きく変化してくるだろう。17年もまた鋭意取材して、当コラムの充実を図っていきたい。新年も引き続きご愛読のほどよろしくお願いします。

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