経済界大賞

積極姿勢で観光大国へけん引

20170124TAISYO_ANA

大賞
片野坂真哉 ANAホールディングス社長

 2016年10月、訪日外国人観光客数は2千万人を超えた。旺盛なインバウンド需要を背景に拡大する観光産業は、日本の新たな基幹産業へと期待される。島国であるわが国の観光をけん引するのが航空業界、なかでも国内最大の航空会社となったANAホールディングスの躍進が著しい。16年3月期の決算では売上高、最終利益ともに過去最高となる数字を叩き出し、今年度の上期決算でも過去最高益を更新した。グループをけん引するのが15年に就任した片野坂真哉社長。「今後も、新たなマーケットを開拓していく」と、攻めの姿勢は崩さない。

 中核会社の全日本空輸は、16年だけでも成田から武漢、プノンペン、羽田からもニューヨークやシカゴ、クアラルンプールの5カ所に新規就航を果たし、既存路線も増便するなど、積極的な拡大戦略を突き進む。その戦略を可能にしたのが、成長著しいアジアの需要を取り込んだこと。インバウンド需要はもちろんだが、それだけでは景気次第で縮小、撤退も考えなければならない。しかし、羽田と成田のふたつのハブ空港を使い、アジアと米州間の大きな人の流れを、短い乗り継ぎ時間という利便性と質の高いサービスで取り込んだことで、安定した搭乗率と高い収益を可能にした。

 バニラ・エア、ピーチ・アビエーションという傘下のLCCもこれまでにはない新たな需要を開拓。関空を拠点とするピーチは、関西地域のインバウンドの盛り上がりの中核を担い、スペシャルインタビューにもあるとおり、奄美大島に就航したバニラ・エアは年間10万人を運び、42億円の経済効果を生むなど、地域の活性化にも貢献している。

 こうしたグローバルとローカルを両輪に事業を掘り起こすANAホールディングス。今年2月にはメキシコシティへの就航も予定している。果たして、次は日本を世界のどこと結ぶのか、観光大国の実現には、ANAグループの力が欠かせない。

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