政治・経済

 20170124KEISAN_P01東京電力ホールディングスの数土文夫会長と広瀬直己社長は1月5日、新潟県庁を訪問し昨年10月に就任した米山隆一知事と初めて会談した。当初は昨年11月下旬の予定だったが、福島県沖での地震や新潟県内で発生した高病原性鳥インフルエンザへの対応で2回延期されており、「三度目の正直」となった。

 米山知事は柏崎刈羽原発(同県)について福島原発事故の原因検証、事故が福島県民などに与えた健康と暮らしへの影響、柏崎刈羽で事故が起きた際の避難計画の実効性の3つの検証を終えないと「再稼働の議論はできない」と述べ、運転再開に慎重な姿勢を示している。

 米山知事は会談後、記者団に対し、検証には「3、4年」を要するとの見方を示した。数土会長も会談後、「地元の方々の意向がどんなに厳しくても優先しなくてはいけない」と述べ、運転停止が長期化する可能性を指摘した。

 経済産業省では「知事として本格的に仕事ができるといわれる2期目までは(票を得やすい)反原発を続けるのでは」(経産省幹部)との声も出ている。

 昨年末、経産省の有識者会議は福島第1原発の事故対応費用が総額で22兆円に膨らむと試算した。東電はそのうち福島第1の廃炉や賠償費用など16兆円を自力で賄わなければならない。原子力規制委員会に再稼働を申請中の柏崎刈羽6、7号機が再稼働すれば、年間1千億円程度の収益改善効果が見込めるだけに早期の再稼働は再建策の柱になるとみられていた。

 東電は、原発や送配電事業で他の電力会社との再編や統合を目指すなど抜本的な経営改革に着手して事故費用を捻出していく計画だ。

 柏崎刈羽が停止した状態が長引けば、東電の財務体質改善が想定通りに進まないばかりか、他電力も東電との提携に及び腰になる。火力燃料費の増加で高止まりしている電気料金を引き下げるのは難しくなり、国民生活に影響が及ぶ懸念も否定できない。

 
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