マネジメント

富裕層専門のカリスマFP 江上治

興味のない話に耳を傾ける人はいない

 保険営業を5年、6年と経験しているのに、「お客さまとのアポイントが取れない」と悩んでいる人がいる。

 どうやってアポを取ろうとしているのか、と聞くと、「保険の話を聞いてほしい」と電話していると言う。

 それでは、お客さまが関心を持ってくれないだろう、もっと別の話を切り出せないか、と私は言うのだが、本人は私の言う意味を理解できずに、ポカンとしている。

 そこでさらに、「保険にみんなが関心を持っていると思うか」と聞くと、さらにけげんな表情を浮かべてしまう。

 おそらく彼は、ほとんどの人が、毎日毎日、保険のことを考えていると信じているのだろう。

 しかし、よくよく考えて欲しい。四六時中、保険のことを考えている人は、実はほとんどいない。もし、いたとしたら、それは保険金で、何かしようと企んでいる詐欺師くらいだろう。

 経営者であれば、そもそも忙しいのに、そんな興味のない話をされても、会ってくれるはずはない。

 アポが取れない人というのは、お客さまが会いたくないと言っているのと同義なのだ。

 では、会ってもらうためにはどうすればいいか。

 それには「思考」を根本から変えなければならないのである。

お客さまが欲しいもの 欲しい情報がわかるか

 実は、人間のすべての結果には「思考」というものが、深く関わっている。ここでは詳しくは触れないが、近くに発売する私の『運命転換思考』(経済界)をぜひ手に取ってみてほしい。

 うまく行く人と、行かない人との差がどこにあるか、詳しく書き尽くしているはずだ。

 さて、営業マンにとって大切な思考の一つは、「徹底的な顧客志向」だ。

 お客さまが、今欲しいもの・情報は何か、そこを理解し、提供することができれば、あなたはいつでもお客さまに会うことができる。

 お客さまに貢献できれば、タイミングによっては、自分がプロフェッショナルの領域である保険の提案をする機会も生まれるに違いない。

 例えば、社長が知りたいという情報を持っていく。経営者の本を読んで、経営者の悩みを考える。お客さまを紹介する。このように、役に立てる場面は意外と多いものである。 ただし、心しなくてはならない点が一つある。顧客志向が本物であることだ。表面的なものだと、絶対にお客さまに見抜かれてしまうから、要注意だ。

思考は言葉となって相手に伝わる

 具体的な例を出すと、オリンピックに出る選手は、言葉が違うと思わないだろうか。それは、他のアスリートとは「思考」が違うからだ。

 それが言葉に出てくるのである。思考は言葉を選ぶのである。そして、その言葉が人々の心を打つのだ。

 これと同じで、本気の顧客思考でなく、どこか「自分が稼ぎたい、自分が儲かりたい」という気持ちがあれば、それは必ず相手に伝わる。思考が言葉となって出てくる。

 ほとんどの営業マンは、この部類である。だから稼げないのだ。

 とてつもなく稼ぐ人は、お客さまにお役に立つという「思考」を会得し、自然にお客さまに貢献でき、結果的に大きく稼いでいる。

 2014年に出版した拙著『1000円ゲーム』(経済界)では、そんな「思考」の大切さを、物語形式でお伝えしている。この春には、分かりやすい図解版が出るはずである。

 私が登壇させていただいている講座などでも、その本質についてお話しさせていただいている。できれば出席して営業の極意を会得してもらいたい。

今号の流儀

本物の「人に役立とう思考」なら多くの人を引き寄せる。

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