文化・ライフ

脳に深い記憶として残る「味」

ミラクルフルーツ

ミラクルフルーツタブレット10錠入り、Amazonにて1,500円

 人間の持っている視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5感の中でも、味覚はとっても興味深い世界です。

 口の中に食べ物や飲み物を入れたときに感じる、触感、風味、匂いなどが組み合わされて、好みも十人十色です。味覚は、甘みのほかにも苦味や酸味、塩味、うまみ、香りなど様々あります。

 味覚は、人間にとって喜びと最も強く結びつくそうで、皆さんも、昔は嫌いだったものが今は好きだという食材もあるかと思います。ここで好き嫌いの謎も解説したいと思います。

 好き嫌いは、生まれながらの好みか育った環境での変化なのか?人は本能的に甘いものが好きな生き物なので、味覚の形成される初期の過程では、そもそもカロリーが豊富だからという本能に従っているだけで好まれる傾向にあり、逆に苦味を感じると本能的な危険予知反応で毒や有害だと思って避ける傾向にあるといいます。

 そもそも味覚は、経験や成長の過程でどんどん変化していきます。

 味覚を成長させる鍵は3歳くらいまでに、多くの種類の食材を何度も食べさせ、さまざまな味わいの経験をすることだと言われます。

 人間が本来危険だと感じるセロリなどの苦味も、大人になって食べられるようになるためには、幼少期からたくさんの種類の食べ物を食べて苦味に慣れることが重要になります。特定の食べ物を好きになるというのも、子供の頃に食べて美味しかった記憶として残るためです。

 女性が妊娠中に、にんにくや唐辛子など多く食べた場合には、羊水に匂い成分が入って、子供の成長過程で、その子の味覚に影響が及び、その味が好きになるという研究結果もあるようです。

 さて、一般的によく言われている味覚の違いは、舌の味蕾(みらい)にある茸状乳頭(しじょうにゅうとう)という感知機能で、その数が多くある人は敏感で感受性が強いといいます。その結果、味に敏感になって、わさびや唐辛子などを人より何倍も強く感じたりして、味が濃いものを好きになれないそうです。

 次に、美味しさ、味覚に関連する重要な要素は、「匂い(風味)」です。嫌いなものを食べたり飲んだりするときに、鼻をつまんで物を食べるのも、嫌いを避ける行動の結果です。

 匂いは感情の記憶として脳と密接に関連しているので、風味も味わいには大事な要素です。匂いは物を食べる前も感じますが、食べた際にも食べ物の揮発性物質(きはつせいぶっしつ)が口の中から鼻に抜け、嗅覚で感じて脳で理解します。

 味わいというのは、物を食べた後に舌で感じた味と匂いが組み合わさって、脳で味わいとなり、美味しいとか、不味いと感じます。音楽を聴いた際に脳に思い出として残るように、味わいも脳に深い記憶として鮮烈に残っているのです。

なぜレモンが猛烈に甘く感じるのか

 さて、今回紹介するのは、その性質を逆手にとって、酸味を甘みに錯覚させる「ミラクルフルーツタブレット」です。

 直接、舌の味蕾(みらい)に錯覚を起こさせて、脳をだます仕組みとは、レモンに含まれるクエン酸などの酸味をミラクルフルーツが持つアミノ酸糖たんぱく成分であるミラクリンという成分が舌の味蕾(みらい)に残って、酸っぱい成分と結合して甘みとして脳に信号を送るというものです。実はこの果物は元々、西アフリカの原住民たちが、食べるには酸っぱ過ぎたり、苦くて食べにくい食べ物を食べなければならない場合に使っていたそうです。

 砂糖や、ぶどう糖、糖分の摂りすぎは、肥満など体に良くないと言われています。この現代社会に酸っぱいものが甘く感じられれば、砂糖を減らすことも可能になります。西アフリカ原産のアカテツ科のミラクルフルーツや、ガガイモ科のギムネマ「ミラクルベリー」などにもミラクリンは含まれています。

 実際に筆者も体験してみました。まず、最初にミラクルフルーツタブレット一錠を口の中に入れて、5分くらい舐めて溶かします。錠剤の味は、それほど不味くはないですが美味しくもないです。そして、なくなってからいよいよ、レモンの登場となります。

 切ったレモンをかじってみると、不思議なことに、催眠術にかかったように猛烈に甘いです。二切れ目も食べてみますがそれもまだ甘い状態です。30分経った後にも食べてみてもまだ、若干甘いです。これなら、レストランで先にパウダーを食べてもらってから、砂糖を減らした酸味を加えたデザートを出しても、砂糖より甘く感じるというのはなるほど理解できます。

 ただ、酸味にだけ反応することと、錠剤を5分舐めて溶かすと言う手間がかかるので、日常で使うには無理があると感じました。

 もっと手軽な商品が出れば、もしかすると甘く感じながらも、糖分を減らすことなどが可能かもしれません。海外では実際に、ミラクルベリー粉末を食べてから、砂糖を減らした酸味のあるデザートを用意して提供するレストランもあるようです。

 脳は“甘いものを求めよ”という原始的な仕組みが設定されているようですし、話は逸れますが、甘いものが好きだと言うと他人に好かれやすくなるとも言われています。

 今後も脳に甘いと勘違いさせる試みは続くでしょう。

++++++++以下、商品同梱のパンフレットより++++++

◆ミラクルフルーツ

あなたの毎日をあま~くします。ミラクルフルーツは、西アフリカ原産のアカテツ科の常緑潅木で、学名はSynsepalum dulcificum、欧米地域では、『ミラクルベリー』、『ミラクルフルーツ』と呼ばれています。十年前に台湾に導入され、近年台湾で人工栽培の成功、農業技術の改良により『錠剤化(ミラクルフルーツタブレット)』して販売しています。ミラクルフルーツ特有のタンパク質「ミラクリン」は、酸っぱいもの、渋いものを甘く感じさせる性質を持っています。元々、西アフリカの原住民は食べにくい食べ物を美味しくするため、また棕櫚酒(しゅろしゅ)を甘く飲みやすくするために、先にミラクルフルーツを食べた後、渋味や酸味のあるものを食べていました。

■タブレットは噛まずに舌の上で転がすように舐めて見てください。(噛んだり飲み込むと効果がありません。)

◆自然界の大発見 ミラクルフルーツとミラクルフルーツタブレット

1.とても不思議な食品:体が欲する甘いものを我慢しなくて済み、無理せずに糖分摂取が減らせる。

2.食欲の増進、飲食の改善:口食用後、唾液分泌や消化促進作用、体に必要な栄養が補給できる、食べ物が美味しくなる等の良さがあります。味覚の感じ方が弱い方には味奮を刺激し、再び食べ物の味を感じられるように促します。

3.多種のビタミンとヒドロキシ酸がある:体に必要なビタミンの摂取と老化の改善。

4.健康のアルカリ性食品:ミラクルフルーツの分解後水素イオン指数はPHll.9で、アルカリ性食品です。

5.特許権利:独占的に日本と台湾ではミラクルフルーツタプレットの生産特許を取得しています。

輸入元:有限会社GEM 〒636-0073奈良県北葛城郡河合町広瀬台2-11-7

++++++++++

(やまもと・やすひろ):ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役、ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、JT、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本製作。1年以上継続した商品を計算すると打率3割3分、マーケティング実績30年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、英語著書『Stick Out~a ninja marketer~』(BVC)など。

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