文化・ライフ

 日本人の健康に関して、高血圧に影響のある“減塩”が重大な課題となっている。減塩が進んでいない原因は、ファストフードや外食の多さなどの他に、加工食品の中に含まれる保存のための塩分や調理法、主食の数など自炊の中にも潜んでいる。その自炊の中で味付けの基本となる“塩”。減塩とは言えど、味には妥協したくない…。そんな人の願いを叶えてくれる商品、ポッカサッポロの「ウレシオ」について分析してみる。

料理の仕上げにも一役

第6回写真1 今まで、減塩は塩の代わりに“塩化カリウム”が使われることがほとんどであった。塩化カリウムを使うと、確かに塩味は感じるものの、若干の苦味が出てしまう。

 その不自然さが苦手だった人にとって、今回紹介する“ウレシオ”はぴったりな減塩手段であろう。ウレシオの目の付け所が良いのは、普通の減塩塩とは違い、減塩の仕方をレモンの成分を使い成功させていることだ。

 今まで、塩の味を他のもので代用することのみだった減塩塩が、この“ウレシオ”の登場によって料理の仕上げに一役買うこともできる。レモンの酸味が塩味を引き立て、本来の塩の旨味を邪魔することなくおいしく減塩できるのである。

 また、塩化カリウム不使用にすることによってカリウムの摂取を控えている人でも安心して使える。減塩によく使われる塩化カリウムを制限されている人にとって、この塩は非常にお勧めだ。減塩の方法として、お酢を使ったり、かんきつ系のものを使用する事が広く知られているが、この塩にはもともと“レモン”が追加されているのでわざわざ用意する手間も省ける。

 実際にウレシオを食べてみたが、塩味はキチンと出ていて、減塩になっていることはあまり感じなかった。カリウム摂取の制限のある人ならば、ぜひお勧めしたいと感じた。医療関係の施設などでは、子袋に入れて販売もされているようで、とても好評だという。

視点を変えて成功した好例

 このウレシオは、今まであった減塩塩の「塩化カリウムの苦味が嫌だ」「塩化カリウムの使用を制限されているから使えない」「減塩のためにわざわざ酢や柑橘系を買うのも面倒くさいし、作り方もよくわからない」といった不満を見事に解決した商品だといえる。

 塩味をどうやって他のもので代用しようかという視点で考えられてきた今までの減塩塩とは違い、塩味に他の物を足して旨味を増そうと考えたこの商品は見事な大ヒットとなった。

 不満の種を見つけ出して、それを解決することでヒット商品を生み出す成功例といえるだろう。

(やまもと・やすひろ)ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役、ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、JT、伊藤園でマーケティング、新商品企画に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム(失敗経験100品以上)、テレビCM52本製作。現在では新商品コンサルのほか、業界紙をはじめとしたメディアへの寄稿、企業研修、大学等での講義なども実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)など。

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