国際

20151222NIRUMARA

経済特区と自由貿易区はインドビジネスの拠点

 巨大な人口を抱えるインドは、28州7直轄地(UT)からなる。中央政府に用地取得を規制したり奨励したりする規定や資源獲得、インフラ開発政策があるのと同様に、それぞれの州政府にも政策や規定がある。ビジネス用地の取得を間違えば、成果が得られないばかりか、場合によっては重大な損失を抱えることになる。

 用地選択を進める一方で、地域や州ごとに資源や機会に富むセクターを研究することは役に立つ。

 州政府やインド商工会議所連合会(FICCI)は、地域ごとに成長産業と資源を公表している。

 インドの州には州政府があり、直轄地は中央政府が監督している。インド憲法では、中央政府は直轄地に議会をつくることができる。直轄地の中ではデリーとポンディシェリーの2カ所に議会がある。

 各州にはそれぞれの優位点があるものの、情報がワンストップで提供されないため、会社の設立や計画の遂行がいつもスムーズに運ぶわけではない。管理や認可の窓口がバラバラ、インフラが世界水準に達していない、会計制度が一定していない、などの欠点を克服し、外国資本をインドに誘致する目的から、2000年4月、経済特区(SEZ)政策が発表された。その趣旨は、国や州で質の良いインフラ、魅力的な財政優遇などを提供し、認可手続きも最小限で済むSEZを作り、それを経済成長のエンジンにしようというものである。

 SEZは国内で一番経済法規が自由化されている地区である。SEZはカテゴリー別に、自由貿易区(FTZ)、輸出加工区(EPZ)、自由区(FZ)、工業団地(IE)、自由港、都市企業区などのタイプに分かれる。

 FTZは事業や投資を誘致するために、貿易の障壁となる税金、関税、数量割り当てなどを減免した地区のことである。FTZは輸出入主体の労働集約的な工場のために設立された。こうした特区は発展途上国によく見られるが、その中でも低開発地域に作られる。インドのFTZでは物資の積み下ろしから生産、加工、再輸出といった過程で、税関の干渉を頻繁に受けずに済み、製品を国内に出荷する際にだけ課税される。

日本企業の拠点設置には建設前のSEZが最適か

 SEZは大まかに次の4つに分けられる。

1.貿易や保管を目的として、2つまたはそれ以上の分野の製品、サービスを生産する工場ための多品種SEZ。

2.特定セクターの1種類または複数種類の製品/サービスを生産する工場のための特定セクターSEZ。

3.港湾/空港に設置される港/空港SEZ。

4.貿易関係のインフラを作り、輸出入、フリーカレンシーでの輸出取引を促進するのを目的とする貿易と保管に特化した自由貿易/保管SEZ。

 インドではSEZは政府、民間、ジョイントセクター、あるいは州政府で建設する。現在政府公認のSEZは530以上あるが、そのうち300以上が公示された。EPZから経済特区に組み込まれたものもある。

 資産の取得、賃貸を認可する窓口を一本化する以外にも、通関の低減などのほかに、政府はSEZ入居企業への法人税減税と間接税優遇の2つの奨励策を提示している。

 インドでの用地取得はいつもスムーズに進むわけではないし、醜い部分にも遭遇する。それは外国企業だけでなく国内企業も同様だ。論争や反対運動、暴力行為が用地を取得するのを困難にしている。反対運動は農地を取得する場合や、取得金額が不十分であった場合、環境問題が絡む場合に起こっている。

 用地取得法は政府による公的な目的での用地収用を許可しているが、反対運動の多くは肥沃な農地を奪われた農民が起こしている。貧困層を支援することで政治的なポイント稼ぎを狙う政治団体がそうした運動を扇動することもある。

 約1300社の日本企業がインドに進出している。SEZごとの強みとビジネスの目標にもよるが、日本企業が拠点を設置するには建設前のSEZが最適かもしれない。

 インド政府は、日本企業が優先権を得られるデリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC)などのインフラ開発事業に多額の投資をしているので、そこには道路、鉄道、発電、電力だけにとどまらない、PPPプロジェクトで参画できる巨大な可能性がある。

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