政治・経済

有料老人ホーム等医療・介護施設特化型ヘルスケアREITの来春上場がようやく決まり、来年6月への上場に向けた準備のため三井住友銀行(SMBC)は新会社を設立。施設整備に向けた金融面の支援を狙い、潜在需要の掘り起こしを後押しする。

〝潜在需要〟は膨大

 日本の高齢化は世界に類を見ないスピードで進み、それにより医療・介護施設には膨大な需要が見こまれている。有料老人ホームやサービス付高齢者住宅(サ高住)などの整備には多額の資金が当然求められるが、この資金調達を支える仕組みの拡充が新たな一歩を踏み出しそうだ。

 直接のきっかけは、医療・介護施設に特化したJ-REIT、不動産投資信託「ヘルスケアREIT(リート)」の不動産投資信託市場への来春からの上場を認めるという金融庁の決定だ。三井住友銀行(SMBC)が同庁の決定に素早く反応して、ヘルスケアREITを立ち上げるとさっそく表明した。個人投資家の投資マネーを医療・介護施設整備のファイナンスに生かす仕組みの拡充に向けて前進し始めた格好だが、ヘルスケアREITの上場で、どれだけの潜在需要を掘り起こせるか真価が問われる。

 ヘルスケアREITに組み込まれることになる医療・介護施設の需要は、人口の将来推計から見れば底堅い。国立社会保障・人口問題研究所による予測でも2025年には高齢者人口が3500万人を上回る水準に達するとされており今後の確実な需要拡大が見込まれる。さらに、今年6月に閣議決定された成長戦略「JAPAN is BACK」では、「(医療・介護などの分野に)民間の資金、人材、技術、ノウハウを呼び込み、新たな日本経済の成長エンジンに仕立て上げることを目指す」と謳われ、戦略市場創造プランに医療・介護分野を盛り込んだりするなど、政府も前のめりの姿勢で臨んでいる。

 今回のヘルスケアREITの上場に向けた動きも、長らく議論されてきた資金調達の仕組みが実現したもので、追い風が吹いていると言えそうだ。

 SMBCの新REITの立ち上げも、こうした動きと軌を一にしたもの。同社は、NECキャピタルソリューションとシップヘルスケアホールディングスとの3社共同で、ヘルスケアREITを立ち上げることで合意。既に9月26日付で、上場するREITに組み入れる医療・介護施設取得のための新会社「SMBCヘルスケアホルダー合同会社(SMH)」を設立し、来年6月の上場を目指して、他銀行に先駆けて積極的な取り組みを示した格好だ。

 しかし、具体的な準備はまだまだこれからで、SMHでは、当初は200億円規模を目標として、有料老人ホーム、サ高住のほかに、医療モールや関連施設の取得を図る予定だ。

 実際に医療・介護施設を取得するにあたってはシップヘルスケアホールディングスが、「コンサルティングや運営で培ったノウハウを生かして、医療・介護施設を取得する際の目利き役の役割を果たす」(担当者)としている。

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