政治・経済

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 金融庁の森信親長官が、資産運用業界の体質改善を訴えている。4月7日の都内での講演で、業界では顧客本位の業務運営が行われていないとして、「これまでのやり方を続ければ10年、20年たっても何も変わらず衰退していくだけだ」と厳しく指摘した。金融庁は少額投資非課税制度(NISA)の拡充などを通じて国民の安定的な資産形成の実現を目指しており、森氏が業界に早急な対応を迫った格好だ。

 森氏は講演で、業界では手数料獲得などが優先され、顧客の利益が軽視されていると強調。念頭には、投資信託などの手数料水準が米国に比べて高く、顧客に乗り換えを勧めるような販売手法も横行していることへの危機感がある。

 このため、金融庁としては「顧客本位を口で言うだけで、具体的な行動につなげられない金融機関が淘汰される市場メカニズムが有効に働くような環境をつくる」と力を込めた。

 金融庁が目指すのは、顧客の利益につながる資産運用のサービスを増やすことで、「貯蓄から投資」の流れを強めて、消費者が安定的に資産を形成できるような環境を整えることだ。

 その一環として、来年1月からNISAを拡充し、長期積み立て枠を新設。年間投資額の上限を現行のNISAの3分の1となる40万円に抑える一方で、非課税期間を4倍の20年に延ばして長期投資を促す。

 対象商品は販売手数料がゼロか低水準で、元本割れリスクを抑えた投資信託に限定する。若い投資初心者を保護するために条件を厳しくしたことで、当てはまるのは今出ている商品の1%ほどにとどまりそうだ。

 今秋に金融機関から商品の届け出を受け付ける。金融機関からは条件の厳しさに不満も漏れるが、長期積み立て枠の対象がどれだけ増えるかによって、「顧客本位のサービスに対する資産運用業界の本気度が分かる」(業界関係者)との声もある。

 また金融庁は、金融機関に対し、顧客優先の業務運営をしているかどうかを自己点検した「成果指標」を開示させる構えだ。

 金融機関は金融庁がまとめた顧客優先の行動指針に基づいて経営姿勢を改善させ、課題項目ごとに達成状況を成果指標として数値で公表する。

金融機関に自己評価をしてもらうことで、顧客本位の業務運営をみずから徹底し、サービスを競い合う意識を持つよう促す狙いだ。

 

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