政治・経済

20170124KEISAN_P01 東京電力ホールディングスは3月31日、広瀬直己社長の後任に小売り部門の東電エナジーパートナーの小早川智明社長を、數土文夫会長の後任に日立製作所の川村隆名誉会長をそれぞれ充てる人事を発表した。広瀬氏は新設の副会長に退く。首脳人事は、トップの若返りと国の関与強化を狙った政府のシナリオ通りに決着した形だ。

 日立製作所で経営再建を主導した川村氏の手腕に期待が集まるが、福島第1原発事故の対応や柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた地元との協議など「普通に頑張ったくらいではとても(達成)できない」(川村氏)難題が待ち受ける。社内分裂のリスクや、原発メーカー出身の川村氏の対応を懸念する声もある。

 「若い人と社外取締役を中心にタッグを組んでやれば成果も出やすい」

 川村氏は4月3日の会見で、経営再建には若い社員と社外取締役の経験が必要だと繰り返し強調した。

 東電の新経営陣は、取締役13人のうち10人が入れ替わり、社内取締役は50代前半が中心。“守旧派”を一掃したい経済産業省の意向が鮮明になっている。

 同省の有識者委員会が昨年末にまとめた提言では、「改革を進めるために若い世代への権限移譲は不可避」との方針を示していた。社員の士気を維持することに腐心してきた広瀬直己社長との方針の違いは明確で、東電社内からは「社内分裂が心配だ」との声も上がる。

 東芝が経営危機に陥り、三菱重工業も国産ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の度重なる納入延期や造船事業の失敗で損失を抱える中、川村氏の東電会長就任で、国内原発業界の核として、官邸や政府の意向に巻き込まれてしまう“政権との距離感”への懸念も聞こえてくる。東電新体制は波乱の船出となりそうだ。

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