政治・経済

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 金融庁が、1998年に大蔵省(現財務省)から分離し発足して以来の大規模な組織再編に乗り出す。検査と監督を一体化するとともに、実務の手引書である「金融検査マニュアル」も抜本的に見直す方向だ。

 バブル崩壊後に発足した金融庁は金融機関の財務の健全性を重視して処分を連発し、「金融処分庁」と揶揄された。「平時」になってもその体質から完全には抜け出せず、組織の抜本的な改革が求められていた。今後は、金融機関の金融仲介機能向上を後押しし、経済成長につなげる「金融育成庁」への脱皮を目指す。

 「わが国の金融行政はいったん確立した検査・監督の在り方を見直し、進化させる過程にある」。今年3月、金融庁の有識者会議は組織再編を求める報告書でこう指摘した。

 有識者会議は、金融機関に立ち入り検査を行う「検査」と、聞き取りや指導を行う「監督」を一体で行うよう提言。検査局と監督局、総務企画局に分かれている現在の組織の再編も促し、「金融行政の総合司令塔機能の強化」にも言及した。

 また、銀行や保険会社といった業態ごとの監督指針と検査マニュアルを統合するよう提案。対話を通じ、金融機関が主体的に顧客の利益を優先する行動をとるよう促すことを求めた。

 金融庁は提言を受け、今夏にも組織変更について決め、2018年から新体制に入る方針だ。金融庁が組織再編に乗り出すのは、発足以来続いてきた金融機関との“対決姿勢”を見直すためだ。大蔵省から分離して発足した金融庁はバブル崩壊後の不良債権問題などに対応するため、金融機関と距離を置き、厳しい行政処分を連発して恐れられた。

 金融庁が、こうした手法で金融危機を乗り越えるのに一定の役割を果たしたのは事実だ。だが危機が去って久しい今でも、「成功体験にしがみつき、旧態依然とした体質から抜け出せずにいる」(メガバンク関係者)。

 金融機関も萎縮したままで、いまだに融資で担保や保証を重視する姿勢は変わらず、業界では、「金融仲介機能が十分に発揮されていない」と批判の声が上がる。

 人口が減少し、低金利が長期化する中、金融機関はこれまでのビジネスモデルでは持続的に収益を上げることが厳しくなっている。金融庁が自ら襟を正し、組織を見直すことで、金融機関にも顧客優先の業務運営を促し、日本経済の活性化につなげる環境を整える狙いだ。

 

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