マネジメント

価値は他人との差異からしか生まれない

富裕層専門のカリスマFP 江上治

 働いている皆さんのほとんどが、まじめで一所懸命に働いている方だと思う。

 ただ、報酬というものとの関連でいえば、この「まじめ」であることが曲者だ。

 まじめに働けば、報酬が高くなるのだろうか。実は、そうはならないから困るのだ。

 報酬はお金である。お金には3つの機能があるのは、ご存知の通りだ。交換機能、貯蓄機能、増殖機能である。

 このうちの交換機能とは、価値の交換を指す。お金は常に、他の同じ価値を持つものと交換されているのだが、このお金の持つ交換機能というものを、よく理解しないといけない。つまり、価値の高い働き方をすれば、当然ながら高いお金と交換できるのである。

 価値が高い働き方とはどういうものか、どうしたら自分の価値が上がるのかということを、自分自身が、真剣に考えないといけないのである。

 価値はどこから生まれるのか、知っているだろうか。例えばここで、会社における「利潤」というものがどうして生まれるのかを考えてみればよい。利潤は価値そのもので、会社は価値の有無、高いか低いかを競い合っているといってもよい。

 経済学者の岩井克人氏によれば、利潤は「差異」からしか生まれないという。価格の差、品質の差、という差異である。

 この考え方は働き方にも当てはまる。人と同じことをしていては、自分の価値は上がらないままなのである。

 すなわち人と違うことをやらないと、自分の価値(利潤)は上がらないのだ。

 人と違うことをするには、どうしたらよいのか。それは、人とは異なる考え方をすることである。

 日本人はとかく他人と同じ考えをしたい、同じ行動をしたいという傾向がある。目立たないことに安住しがちである。他人と異なって、非常識と言われたくないのである。これでは稼げない。

 敢えて、常に他人とは異なる考え方、行動を心掛けなくては、自分の価値は上がらないし、稼げる人間にはなれない。

相手の価値を上げ儲けさせればよい

 皆さんの今やられている仕事で、他人とは異なる思考で、異なる行動を起こし、自分の価値を高めるようなことが、できないだろうか。実は、簡単にできる方法がここにある。

 簡単に、自分の価値を高める生き方というのは、拙著『図解 30日間で無敵の営業マンになるノート』(経済界)でも触れているが、相手の利益を上げてやることなのである。

 つまり、相手を儲けさせることができれば、皆さんの価値が上がり、交換機能を高められ、報酬が上がるのである。

 これは「簡単」とはいうものの「言うは易し、行うは難し」の見本のようなものだ。何よりも、自分、ではなく、相手、の利益を上げること、儲けさせてあげることに発想を持っていくこと自体、ふつうは難しい。

 そんなことよりも、自分本位で「まじめ」第一で働いたほうがいい、と大多数の人間は考えてしまう。そのために、「まじめ」のタコツボに陥って、自分の価値を、ついに高めることができないのである。

 この大多数の思考から脱出すれば、他人とは異なる思考、行動ができるのである。実に簡単なことではないか。

今の職場に革命を起こせ

 さて、相手を儲けさせる方法はシンプルそのものだ。会社の従業員であれば、会社の利益に貢献すればいいのである。

 どうしたら利益に、あるいは経費削減に貢献できるか。もしくは、時間をいっぱい働くのではなくて、時間の節約ができるようなシステムをつくれないかを今の職場で考え、実績を出し、それを堂々と上司に、あるいは会社に言って交渉できるような、そんな自分をつくるのである。

 ビジネスマンであれば胸を張って、利益に貢献できたと言えるキャッシュポイント、あるいは経費・時間の削減に貢献できたという実績を自分自身がつくり上げる努力をして、自分で報酬を勝ち取っていくのだ。

 現代はそういう時代である。

 お客さまのどの部分に貢献したのか、売り上げを上げたのか、資産を増やしたのか、具体的に何に貢献したのか、そういうことが言えるようなら報酬が上がるはずである。

 ぜひ、今所属している職場に対して、革命を起こすようなご自身の価値をつくり、交換の手段を磨いてみていただきたい。

[今号の流儀]

自分を、ではなく、相手の価値を上げてやることを考えよ。

関連記事

好評連載

年収1億円の流儀

一覧へ
富裕層専門のカリスマFP 江上治

[連載]年収1億円の流儀(第59回)

運を動かす力は自らの内にある。

[連載]年収1億円の流儀(第58回)

運はどうしたら好転できるか?

[連載] 年収1億円の流儀(第57回)

すべて自分を責めれば最適の解決策が浮かぶ

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

金利固定化の方法を知る

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メーン銀行との付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

金利引き上げの口実とその対処法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件に学ぶ 不祥事対応

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

「ブラック企業」という評価の考察

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

コミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

所得税の節税ポイント

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

固定資産税の取り戻し方

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

人を育てる「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手に育成するコツ

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

部下の感情とどうつきあうか

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

“将来有望”な社員の育て方

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

「日本初」にこだわる男のユニークな発想とビジネス――佐野秀光(情報通信ネットワークグループ社長)

「損して得を取る」事業モデル  不動産登記情報を扱う「登記簿図書館」をご存じだろうか。 かつては法務局でしか取得できなかった登記簿情報がオンラインで簡単に取得でき、かつ、法務局では対応できないさまざまなサービスを提供するというものだ。保有登記情報は全国2450万件、会員数9500社を誇る。 この登記簿図書館を…

支持政党なし

外国人を中心に需要が高まるソーシャルレジデンスで快走―オークハウス

独自のプラットフォーム戦略で、外食産業の新たなスタンダードを創造する――きちり社長 平川昌紀

新社長登場

一覧へ

「技術立脚の理念の下、付加価値の高い香料を開発します」――高砂香料工業社長 桝村聡

創業から95年、海外に進出してから50年以上たつ国際派企業の高砂香料工業。合成香料では日本最大手であり、国際的にも6%以上のシェアを持つ優良企業だ。 100年弱の歴史を持つ合成香料のトップメーカー ── まず御社の特徴をお聞かせください。 桝村 1920年創業ですから、2020年に100周年を迎える…

桝村 聡

「ネット広告が変わってもクライアント本位の姿勢は変わりません」--バリューコマース社長 香川仁

「最新情報を発信、人と企業の働く環境を良くしていきます」--マンパワーグループ社長 池田匡弥

イノベーターズ

一覧へ

老舗コニャックメゾンがブランド強化で日本市場を深耕――Remy Cointreau Japan代表取締役 宮﨑俊治

フランスの大手高級酒グループ、レミー・コアントロー社の日本法人。18世紀から愛飲されてきた名門コニャックの「レミーマルタン」や世界有数のリキュール「コアントロー」をはじめ、スピリッツやウイスキーなど戦略的なラインアップを日本市場で展開している。同社の宮﨑俊治代表取締役に事業展開について聞いた。 &nbs…

20150609_INNOV_P02

デザイナーズ家具のEC販売で業界の“常識打破”に挑戦――リグナ社長 小澤良介

内装空間の総合プロデュースで想いをカタチに創り上げる――ユニオンテック社長 大川祐介

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 教育部門と…

大学の挑戦

創立100周年を控えて「世界に貢献し、インパクトを与える人」の育成に努めます――西南学院大学・K.J.シャフナー学長

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

企業eye

一覧へ

社員の人間力を武器に5期連続増収を果たす投資用不動産会社――パートナーズ

パートナーズは全国の中古投資用不動産の売買仲介を手掛けている。2011年の創業以来、5期連続増収を達成。吉村社長は業績好調の原動力を「社員の人間力を養い、顧客満足度の向上に取り組む姿勢にある」と語る。── 数ある投資用不動産会社の中、独自の強みについて。吉村 当社では、社員の人間力を徹底的に磨きな…

企業eye

クラウドソーシングを活用した動画制作やオンライン動画制作プラットフォームを提供――Crevo

海外ビジネスの第一線で活躍した2400人のエキスパートを擁し、日本企業の海外事業を支援。

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界8月号
[特集]
会社が変わる時

  • ・伊藤秀二(カルビー社長兼COO)
  • ・星野佳路(星野リゾート代表)
  • ・森山 透(三菱食品社長)
  • ・笠原健生(クアーズテック社長)
  • ・駒村純一(森下仁丹社長)
  • ・小渕宏二(クルーズ社長)
  • ・大山健太郎(アイリスオーヤマ社長)
  • ・秋本英樹(リンガーハット社長)

[Interview]

 糸井重里(ほぼ日社長)

 クリエーターの僕が経営者になった日

[NEWS REPORT]

◆誕生10年! iPhoneは世界をこう変えた

◆インディ500とル・マンにF1 モータースポーツの経済効果

◆Jリーグ放送権喪失後の展開 スカパー! はどうなるか

◆売り手市場の就職戦線に笑うものなし

[政知巡礼]

 下村博文(衆議院議員)

 「教育立国こそが、国家として目指す道」

ページ上部へ戻る