文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。本シリーズでは、20年間で2万人以上のファッションをコーディネートしてきた、ファッションスタイリストジャパン(FSJ)の西岡慎也氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

年配者ほど仕事ができる人ほどファッションにも表れる

 「仕事がデキるかどうか」という部分とファッションの関係性については、年配の方ほど顕著に表れる傾向にあります。一般的に、仕事ができる人ほど若い人たちの素直に話を聞くことができますが、それがファッションにも表れるからです。

 年を重ねて、自分という存在が確固たるものになればなるほど「他人軸」より「自分軸」が強くなっていきます。服についても「自分はこのブランドのこういう服装が好き」という考えが強くなっていくのです。

 実はこれが落とし穴で、この態度を崩さない限りどんどん老けこんでいくことになります。そこで「自分はこれが好きだけれど、違うものも教えてほしい」と言える人は、新しいものを取り入れて若い人たちのエネルギーを吸収できるので、いつまでも若々しくいられるのです。

 ビジネスに関しても同じことが言えます。50代や60代になっても「年功序列はない」と言い切れるのは、素直な性格の人です。素直な人ほど、若者の良い部分を取り入れて仕事に反映させています。例えば、パソコンやスマホの操作など、若い人たちから教わる人のほうが仕事がスムーズなのは言うまでもないでしょう。

 そして、自分のやり方にこだわる人たちほど、「近頃の若い者たちは」が口癖になってしまうのです。

 私のお客さまに、もう70代になる経営者の方がいらっしゃいます。非常に素直な方で、ファッションに関して3割は自分のこだわりを持っていましたが、私のアドバイスを7割は取り入れていただけました。

 すると、若い従業員たちから「若い」「お洒落」と褒められるようになり、行動範囲が広がって、歌や踊りやマジックにまで挑戦するようになりました。行動範囲が広がることによって、奥様との関係も深まったとのことです。

 年配になって、こだわりが強くなるのは決して悪いことではありません。ただ、何に関しても「こうでなければならない」という思いが強すぎると、自分の世界を狭めてしまうことになるのです。

 ファッションに新たなものを取り入れる姿勢7割で

 逆に若い人たちの中にも、視野の狭さがゆえに頑なになってしまう人も見受けられます。

 例えば、誰かに「お洒落」と言われたことによって、そこで留まっているようなケースです。褒められたことに満足せずさらに成長できる人は、若くてもやはり他人の話をきちんと聞ける人なのです。

 以前も本シリーズで触れましたが、自分を成長させたいと思ったら、買わなくても良いから老舗ブランドの店舗に行ってサービスを受けてみる、店員さんに教えてもらうといった行動をとることが大事です。若い人が年配の方に教わることも、当然ながら数多くあるからです。

 「自分はこれでいいんだ」と言いながらも、ほとんどの人は他人の目が気になっているものです。自分のこだわりは3割程度に留め、7割は新しいものを試すといった姿勢で、ファッションと自らの価値向上を目指してみてください。

西岡慎也のワンポイントアドバイス

西岡慎也 特定のブランドが好きなのは悪いことではないですが、往々にして新しいものが目に入らなくなります。それぞれのブランドで強みが違いますから、例えば全身1つのブランドで統一するといったことは避けてほしいと思います。例えば、アルマーニが強いのはやはりウェアであって靴ではありません。単なるブランド好きと思われないように、視野を広く持ってそれぞれのブランドの意義をぜひ学んでみてください。

 (にしおか・しんや)1979年生まれ。茨城県土浦市出身。21歳で米輸入会社ワイルドウエストジャパンに就職し、約4千人のファンを獲得。2001年、セレクトショップ「WITH PREASURE」を独立開業。従来のアパレルの販売方法ではなく、コンサルティングを中心としたコーディネートの手法を確立する。10年にファッションスタイリストジャパンを設立し、多くの著名人、エグゼクティブの顧客を獲得し、現在に至る。

「エグゼクティブのための インプレッションコントロールセミナー」(参加無料)

講師:西岡 慎也(株式会社ファッションスタイリストジャパン 代表取締役社長)
日時:6月21日(金)15001700
定員:各6名(男性限定)

会費:無料

会場:東京都港区白金台5-4-7 バルビゾン25番館4F(株式会社ファッションスタイリストジャパン 本社セミナールーム)
地図:http://mail.omc9.com/l/023G1X/weBOAKDI/

お申込みはこちらから
 

 

関連記事

好評連載

二宮清純のスポーツインサイドアウト

一覧へ

米山公啓の現代医療の真相

一覧へ

見落としやすい薬の副作用

[連載] 現代医療の真相(第19回)

現代医療の真相

[連載] 現代医療の真相(第18回)

肺炎球菌ワクチンから見えるワクチン後進国日本

[連載] 現代医療の真相(第17回)

認知症・徘徊老人を受け入れる街づくり

[連載] 現代医療の真相(第16回)

サプリメント・ブームにもの申す

[連載] 現代医療の真相(第15回)

インフルエンザ予防接種は受けるべきか

吉田たかよしのビジネス脳の作り方

一覧へ

ネット検索の集中力は「独り言」で高まる!

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第20回)

ビジネス脳の作り方

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第18回)

人材育成のコツ ~部下の才能を褒めるとダメ人材に育つ~

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第17回)

株取引の損得は男性ホルモン量で決まる?

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第16回)

アルツハイマー病は脳の糖尿病!?

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

「創造と変革」を掲げリーダー教育事業を展開しているグロービス。未来が予見しづらい混迷の時代を迎え、まさに新たな時代を切り拓いていくリーダーが求められている。そのような状況を受けて、グロービスは昨年、新たに執行役員以上に限定したエグゼクティブ向けのプログラム「知命社中」を開設した。[PR]次世代を担う経営リーダ…

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポートするサイトマ――中島優太(エベレディア社長)

「支持政党なし」をつくった男のユニークな発想とビジネス――佐野秀光(情報通信ネットワークグループ社長)

新社長登場

一覧へ

メディカル事業を横串にすることでシナジーを発揮し、顧客満足度向上へ 伏見有貴(リゾートトラスト社長)

会員制ホテルなどを展開するリゾートトラストは4月1日付でトップが交代し、創業者の1人である伊藤與朗会長は代表取締役ファウンダーグループCEOに就いた。共同創業者の伊藤勝康社長は代表取締役会長CEOとなった。伏見有貴副社長は代表取締役社長COOとなり、創業45年で初めて代表取締役3人体制となった。聞き手=榎本正…

新事業の芽を伸ばすことでさらに大きな個性的な会社を目指す――日髙祥博(ヤマハ発動機社長)

「技術立脚の理念の下、付加価値の高い香料を開発します」――高砂香料工業社長 桝村聡

イノベーターズ

一覧へ

老舗コニャックメゾンがブランド強化で日本市場を深耕――Remy Cointreau Japan代表取締役 宮﨑俊治

フランスの大手高級酒グループ、レミー・コアントロー社の日本法人。18世紀から愛飲されてきた名門コニャックの「レミーマルタン」や世界有数のリキュール「コアントロー」をはじめ、スピリッツやウイスキーなど戦略的なラインアップを日本市場で展開している。同社の宮﨑俊治代表取締役に事業展開について聞いた。 &nbs…

リグナ社長 小澤良介 家具のEC販売から様々な展開へ

内装空間の総合プロデュースで想いをカタチに創り上げる――ユニオンテック社長 大川祐介

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸教育部…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2018年12月号
[特集]
平成 ランキングで振り返る“時代”の経営者

  • ・バブル破裂で顔ぶれ一新 平成人気経営者の系譜
  • ・次の時代を創るリーダーとは?

[Special Interview]

 榊原定征(2025日本万国博覧会誘致委員会会長)

 「誘致決定まで1カ月 大阪万博を日本経済の起爆剤に」

[NEWS REPORT]

◆コンビニ軽減税率適用で激化する「外食VS中食」の戦い

◆「液晶のシャープ」が有機ELスマホを発売 初の国産パネルで攻勢をかける

◆「世界一高い」と認定された日本の携帯料金のこれから

◆チャネル政策を見直すトヨタ自動車の危機感

[特集2]

 北海道・新時代の幕開け

ページ上部へ戻る