文化・ライフ

 モバイルバッテリーを圧倒的なコストパフォーマンスと、今までのモバイルバッテリー業界にはなかった“可愛さ”で大ヒットさせ一躍有名になった 「cheero(チーロ)」を今回は紹介します。

 スマートフォンのバッテリーをおしゃれに可愛く、人にプレゼントもできるような見た目にして大ヒットを記録しました。「あなたの生活をちょっと便利にするコモノたち」をコンセプトにしているcheeroが、今回発売したのは“万能クリップ”。あるようでなかった発想と、かわいらしいデザインが話題を呼んでいます。

「cheero CLIP」はさまざまなアイテムを1つにまとめる

第12回写真1 「cheero CLIP」は自由に曲げることができる万能クリップです。ロゴの下には磁石が埋め込まれていて、くっつけることもできます。その他の長い部分は薄い鉄板のようなものが入っており、変幻自在に形を作ることもできます。その変幻自在性が「万能クリップ」と呼ばれる所以です。

 この商品の特徴は、使用者の発想力次第で、いろいろな使い道を見つけることができる点です。

 例えばコードやイヤホンをまとめることだけでなく、素材を生かして立てればスマートフォンスタンドにもなります。また、マネークリップや書類をまとめる道具としても、使うことができます。

 つまり、今までコードをまとめるもの、スマートフォンスタンド、フックなど別々に買っていたものを1つにまとめることができるというわけです。

 これらはcheeroのホームページにも記載されている使い方の一部ですが、磁石を有効に使えば、冷蔵庫に取り付けて調味料を設置するといった使い方も考えられます。

 顧客の潜在ニーズ掘り起しに成功した「cheero CLIP」

第12回写真2 Cheeroが短期間でここまで流行しているのはなぜでしょうか。

 勿論、性能がいい、安心感がある、安いなどの理由もありますが“ターゲットが明確である”という点が大きいでしょう。

 もともとモバイルバッテリーなどは“機能性”を重視したものがほとんどで、デザイン性と安さが両立しているものがありませんでした。そうした顧客の潜在ニーズを、探し当てたということです。

 万能クリップも、見た目の可愛さが追求されています。Cheeroは「プレゼントできる事務用品」というカテゴリーを新たに開拓したのです。

 自分でも買えるけれど、もらえたらより嬉しい。Cheeroが発売している万能クリップは、5個セットで1330円で、軽量化されたクリップやポケモンのマークが入ったものも販売されています。

 使う側が、新しい使い方を発見する楽しみを提供している点、機能性重視の商品にデザイン性の概念を持ち込んだ点などが相まって、ヒットにつながったと言えるでしょう。

山本康博氏の過去記事はこちら

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(やまもと・やすひろ):ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役、ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、JT、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本製作。1年以上継続した商品を計算すると打率3割3分、マーケティング実績30年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や連載寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、英語著書『Stick Out~a ninja marketer~』(BVC)など。

 

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