政治・経済

201707民泊 国土交通省所管の観光庁が来年にも、一般住宅などに有料で旅行者らを宿泊させる「民泊」について、ホテルや旅館などの宿泊者数などを調べる「宿泊旅行統計」の調査対象とする方向で検討しているという。訪日外国人客が増えているにもかかわらず、宿泊者数が伸びていない統計上のミスマッチを解消して、旅行者の実態把握を進める狙いがある。

 政府は2020年までに訪日客数を年間4千万人まで上積みする目標を掲げるが、効果的な戦略を打ち出すのに不可欠な統計データの不足が課題となっている。詳細なデータがあれば訪日客の消費動向や足取りを綿密にとらえることが可能で、周遊ルートの設定など国と地方が連携した観光施策に生かせる。

 だが実際は、訪日客の宿泊状況さえ把握がままならないのが実情だ。観光庁によると、17年の訪日客数は5月中旬に推計で1千万人を突破するなど過去最高のペースで伸びているが、観光庁の宿泊旅行統計調査では、外国人の宿泊者数は前年同月を割り込む月も出ているなど、データ間の乖離が大きい。

 想定されるのは、宿泊施設にカウントされていない民泊を利用する訪日客の増加だ。民泊仲介サイト「エアビーアンドビー」によると、昨年の延べ利用者数は前年の2.7倍となる370万人超。「住宅宿泊事業法」が施行されれば、民泊事業者は都道府県への届け出を義務づけられるほか、サービスの提供日数を定期的に報告するため、政府が民泊の利用実態を把握することが可能になる。

 ただ宿泊旅行統計の「空白要因」は民泊だけではない。船内に宿泊するクルーズ船や深夜高速バス、ネットカフェに至るまで、訪日客の宿泊体系が多様化しているためだ。都市部の宿泊料金が高止まりしているのを背景に、訪日客が安価で一夜を明かす方法を模索しており、実態把握を進める政府との“いたちごっこ”が続く可能性もある。

 

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