政治・経済

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商業化を目指し南海トラフでメタンハイドレート産出試験を実施

 

 経済産業省は6月29日、「燃える氷」と呼ばれ、次世代燃料と期待されるメタンハイドレートについて、愛知県沖の東部南海トラフ海域での産出試験を天然ガスの生産量の増加を確認できないまま終了したと発表した。

 5月に採り出しに成功し、生産量が安定的に増えるかどうかが商業化に向けた課題となっていた。経産省は米国など、海外との共同試験を実施し、長期運転の技術を見直す。

 産出試験は水深約1千メートルの海底に約300メートルの抗井を2本掘って、メタンガスを採取した。

 1本目は採掘の際に巻き上がった砂が設備に詰まり、12日間の運転で中断。2本目は24日間の連続生産に成功したものの、生産量が増加する兆候を確認できず、合計約20万立方メートルにとどまった。

 産出技術の見直しで中国など、開発を加速する海外勢の猛追を許すことになりそうだ。中国は5月、南シナ海での採掘に成功したと発表した。その後、「6月21日時点で連続42日間の採掘は達成した」と世界一を強調した。

 その時点での生産量は23万5千立方メートルにとどまっており、日本と同様、商業化に必要な産出量拡大の兆候はみられていない。

 経産省幹部は「商業化に向けて同じくらいのステップにいる」と警戒する。

 一方で、「中国は泥層でやっていると聞いている。出砂対策が必要ない分、技術的には容易だが、環境負荷は大きい。環境対策をどこまでやっているのかは分からない」(経産省幹部)のも事実だ。

 経産省はメタンハイドレート開発を2018年度までの18年計画で進めてきたが、商業化を23年以降に後ろ倒しし、新たな工程表作りを迫られている。

 メタンハイドレートの産出試験には1日当たり数千万円という多額の費用がかかる。生産技術の向上には試験回数を増やす必要があるが、予算の確保が課題になる。

 そこで、米国が陸上で、インドが海上でそれぞれ計画する産出試験に参画。共同事業にしてコスト削減を図るとともに試験の回数も増やしたい考えだ。

 米印以外の国からも共同開発の提案が来ており、政府は今後、協力相手の拡大も検討する方向だ。

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