政治・経済

201710財務省

 秋にも予定される2017年度補正予算案が大規模化する可能性が強まり、財務省が神経を尖らせている。解散・総選挙をにらんで、与党には10兆円以上の歳出を求める意見が出ており、財源を賄うための国債発行は不可避の情勢だ。

 補正論議に火を付けたのは自民党の二階俊博幹事長。7月25日に大阪市内で執り行った派閥の研修会で、アベノミクス推進に向けて、「10兆円程度の大型補正予算断交」を求める決議を採択した。

 消費税率8%への引き上げ後に低迷が続く消費をテコ入れするというお題目だが、主眼はもちろん選挙対策。研修会でも「遠くない日に選挙がある」と派閥の議員にハッパをかけた。16年度の補正論議でも二階氏の発言が政府に大きな影響を与えた前例があるだけに、17年度補正予算案は大規模化が既定路線になりつつある。

 官邸としても、内閣改造で歯止めがかかったとはいえ、森友学園や加計学園、陸上自衛隊の日報問題で低空飛行が続く支持率を回復させるには補正予算は格好の材料。安倍晋三総理の頭の中には「年内解散」の選択肢は消えておらず、その意味でも渡りに船といえる。

 具体的な施策としては、九州北部豪雨被害に伴う復旧・復興費用や日欧EPA(経済連携協定)を受けた農業対策をはじめ、保育・少子化対策、中小企業・地方向けの経済対策など“実弾”が想定されている。

 問題は財源だ。16年度決算の剰余金は0.4兆円にすぎず、17年度は税収上ぶれを見込みにくい。そうなると、大型経済対策を行った16年度2次補正などと同様に、国債発行は避けられない。

 財務省としては大規模化を避けたいが、「官邸から『2019年10月の消費税率10%への環境整備』と言われたら、断るのは難しい」(幹部)。福田淳一次官は16年度2次補正も手掛けており、今年も大人しく官邸の意向を受け入れるというのがもっぱらの見方だ。

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