文化・ライフ

特徴は一長一短

第15回PHOTO

筆者撮影。左からグロー、プルームテック、アイコス

 現在、スチーム式電子タバコ(以前は加熱式タバコと表現)の販売合戦が、東京を中心に繰り広げられています。

 戦っているのは、日本JTのプルームテック、米国フィリップモリスのアイコス、欧州ブリティッシュアメリカンタバコのグロー。今回は、筆者が実際に使ってみての感想を、項目別に比較してみました。

 スチーム式電子タバコは現在でも品薄が続いていて、特にプルームテックは直営サイトでのネット抽選でもなかなか当たらず、実態としてネットで高価な転売品を買わざるを得ないのが残念なところです。グローは、コンビニなどでもいくらか買える状況となっており、アイコスは探せば比較的買いやすくなっています。

  まずは、それぞれの商品の構造について解説しておきます。

 これら3つのマシンは、リチウム電池で加熱してスチームを利用して喫煙するという構造についてはほぼ同じですが、JTのプルームテックだけタバコ葉を直接加熱せずに、過熱されたグリセリンなどの溶液が先端に付けた粉末タバコカプセルを通過するという仕組みとなっています。そのため、アイコスやグローのように、過熱した際に出てしまう俗に言う「とうもろこし臭」がないのが違いです。

 アイコスとグローはタバコ葉を直接加熱するために、加熱時にどうしても匂いが出てしまいます。その代わりタバコ本来の味わいがあるので、パンチが欲しい方にはプルームテックでは物足りなく感じるようです。こうした理由で、直接過熱のほうが人気が高いのも事実です。

 以下、各項目について独自の点数を付けてみます。

   タバコ感   扱いやすさ  壊れにくさ  ランニングコスト感
 アイコス   95点  40点  55点  80点
 プルームテック   55点  95点  60点  70点
 グロー   90点  90点  85点  85点

 筆者は、アイコス、グロー、プルームテックを現在、同時に使っているので、それぞれの特徴について個人的な感想を列記してみます。

■アイコス:タバコ感は一番強い。スティックにタバコを挿して、加熱ボタンを押すという簡単仕様。スティックを充電するカートリッジにいちいち入れるのが面倒。スティックを定期的に清掃するのが意外と面倒。スティックは2本必要と感じるようになるが、買い足しには費用がかかる。スティックが重いのでくわえタバコは難しい。

■グロー:スティックなどがなく、本体にタバコを挿して外側から加熱するというシンプルな構造のため、タバコ感と使い勝手がとても良い。ただ、本体を持ちながら吸わなくてはならないため、紙パック飲料をストローで吸うような感じとなり、見た目に好き嫌いが分かれそう。清掃は非常に簡単で、差す部分の下に外せる網がついていて、空けて汚れを捨てるだけなので簡単で便利。一体化構造でシンプルなつくりのため、故障しにくそう。アイコスとプルームテックの良い所を取った感じ。

■プルームテック:スティック状のスチームタバコ。吸い口がタバコではないために、くわえタバコが出来る。先端部のリチウム電池がセッティングしたグリセリンなどの液体を熱して、その熱いスチームが口側に取り付けたタバコの粉カプセルを通過することでニコチンを取り込む。タバコを直接加熱しないためとうもろこし臭はないが、タバコ葉を通過するだけなのでタバコ感は弱い。タバコカプセルを装着して50回吸うと交換時期を点滅で知らせてくれるので、電源の入り切りが必要なく便利。

 3つのマシンにはそれぞれ一長一短がありますが、個人的には、ブリティッシュアメリカンタバコのグローがバランスが取れていて一番気に入っています。加熱時の「とうもろこし臭」の少なさ、マシンの構造がシンプルなこと、タバコ感の強さ、電池の持ち、それぞれの項目においてバランスが取れていると感じます。

 *本記事はタバコやパイプ煙草等の推奨や宣伝をする目的では全くなく、商品分析のために書かれたものです。タバコは人体に有害とされているため推奨されるものではありません。

(やまもと・やすひろ):ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役、ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、JT、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本製作。1年以上継続した商品を計算すると打率3割3分、マーケティング実績30年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や連載寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、英語著書『Stick Out~a ninja marketer~』(BVC)など。

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