文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。ファッションスタイリストジャパン(FSJ)でスタイリストを務める吉川浩太郎氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

鏡を見るときは横からもチェック

 セルフイメージを高めて自信が持てるようになるには、スーツなどはやはりオーダーメードのものを着るのがベストです。ただ、将来的にはそうしたいと考えていても、現状ではまだそこまで気持ちや状況が至らないという方もいらっしゃるかと思います。

 そこで、今回は既製品を購入する際に気を付けていただきたいポイントをいくつか紹介します。

 まず、サイズ感が重要であることは当然ですが、最も基本となるのは着丈と袖の長さです。特に着るスーツの丈はサイズを詰めすぎると、腰ポケットの位置に掛かってしまうので調整には限界があります。ですから、できるだけ丈がフィットしたものを選び、必要であれば袖の直しを行いましょう。

 肩幅や胴回りなど、スーツ全体の形に影響する部分の直しに関しては、量販店では対応できないことも多々あります。そんな場合はお直し屋さんなどを活用すると良いでしょう。いずれにせよ、サイズを変えられない部分がしっかりフィットしているかどうか、最初にチェックしておくことが大事です。

 既製服は基本的に標準体型の方を基準につくられているため、極端に肩幅が狭かったりお腹が出たりしていない場合でも、たとえば逆三角形の体型の方などにはフィットしにくい傾向があります。体を鍛えていて胸板が厚い方などは、胸や肩回りにサイズを合わせると、どうしても他の部分がブカブカになってしまいがちです。このあたりはやはり既製服の限界があることも知っておいてください。

 そして、サイズと見た目を鏡で確認する際、1つ気を付けていただきたいのは、正面だけではなく横からもチェックするということです。

 意外と多いのが、正面からはぴったりフィットしているように見えても、横から見ると背中でシャツが余って浮いていたり、パンツが太かったり、お尻がきつく見えたりするといったケースです。

 既製品のワイシャツなどは試着できないお店もありますが、できれば試着できるか店員さんに尋ねてから選ぶと良いでしょう。自分にフィットするシャツが見つかったら、袋をすぐに捨てずにそこに掛かれている丈、袖などのサイズをメモしておきましょう。こうすれば、仮に試着できない場合でも困ることがありません。

 「2着目1千円」はやっぱり得

  量販店ではよく、「4万円のスーツを買ったら2着目は1千円」といったキャンペーンを行っています。私がスーツ量販店に勤務していた時、お客様から「2着はいらないから1着を値引きしてほしい」と言われたこともあります。「何か裏があるのでは」と勘繰るお客様もいるようです。

 ただ、こうした割引キャンペーンは、基本的にお客様にとって損な話ではありません。たとえば4万円のスーツを値引きして2万5千円で購入しても、仕事でスーツを毎日着る方であればいずれは2着目が必要になるので、2着目にまた2万5千円払うより、1千円出してまとめ買いしたほうがお得になるのは明らかです。

 店側としてはたくさん作ったスーツをできるだけ売りたいという事情はありますが、あまりそうしたことは気にせず、気に入ったスーツであればこうしたキャンペーンを活用するのもアリだと思います。

吉川浩太郎のワンポイントアドバイス

吉川さん写真量販店では、来店前にクーポン券などの割引情報はきちんと押さえて活用したほうが良いと思います。割引情報をわざわざ店員側から教えてくれることはほとんどありませんので、事前に情報収集して、自分から尋ねてみてください。

(よしかわ・こうたろう)1981年5月19日生まれ。東京都日野市出身。紳士服専門上場企業で人事採用や接客業務を経た後、イメージコンサルタントとしてのキャリアを基に依頼者独自の良さを引き出すコーディネート事業を展開。プライベートカジュアルからスーツスタイルまで幅広い知識・提案に定評がある。化粧品会社、大手建機会社、生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会(公益社団法人JAIFA)等で30~100名規模のファッション研修に携わっている。

 

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