政治・経済

 ビットコインに興味はあっても、どこに行けば買えるのか、どうやって使ったらいいのか分からない、という人も多いだろう。案ずるよりも産むがやすしで、実際には極めて簡単な工程でビットコインを購入することができるし、他の電子マネーのように使うのもやさしい。少し前までは使える店が少なかったが、最近では全国チェーンの店でも使えるなど、利便性は日々高まっている。

ビットコイン取引所でアカウント開設に要する時間は10分間

 金融商品としてだけでなく、決済手段としても普及し始めたビットコイン。どんなものか、一度試してみたいと思っている人も多いに違いない。

 ビットコインを使うには、ビットコイン取引所でアカウントをつくるところから始まる。以下にその手順を列挙するが、ここでは便宜上、日本最大のビットコイン取引所であるビットフライヤーのサービスを通じて説明する。

①アカウントの開設

 まずはビットフライヤーのウェブページから、「無料アカウント作成」をクリック、メールアドレスとパスワードを入力する。次に氏名や生年月日、住所などの情報を入力して登録。さらには免許証など身分を証明できるものを写真で撮影し送信、銀行口座などを入力することで、アカウントは開設できる。この作業は10分ほどで終了する。スマホ初心者でも30分あれば十分だ。

②受取時本人確認

 アカウント開設から1~2日後、登録住所にビットフライヤーからハガキが届く。これを受け取って初めて取引時確認の全作業が終了する。情報入力などはすべてウェブ上で行うのに、最後はハガキというアナログ手段に頼るところに違和感があるが、本人確認の作業としてマネーロンダリングなどの不正防止にはやむを得ない。

③入金

 アカウントが開設されると入金が可能となる。ホームページ左側にある「入出金」→「クイック入金」とクリックして現れた画面の「ご入金額」の欄に好きな金額を入力する。ただしビットフライヤーの場合、入金1件につき324円の手数料が掛かる。次に入金方法を選択(入金方法は、インターネットバンキングや銀行ATM、コンビニ入金などが選べる)、「入金する」をクリックすると、画面は決済申し込み確認に変わり、「同意して次へ」をクリックすると、お支払い手続き完了画面となる。ここには「収納機関番号」「お客さま番号」「確認番号」が記載されている。あとはこの番号をメモして銀行に行き、ATMで「税金・各種料金払込」メニューを選択し、3つの番号を入力、お金を支払えば入金は完了する。

④ビットコイン購入

 ビットフライヤーのホームページ左側の「ビットコイン販売所」をクリックすると、販売画面に切り替わる。ここでビットコインをいくら買いたいか入力(ビットフライヤーの売買最小単位は0.001BTC)すると即座に円での価格が表示される。次に「コインを買う」をクリックし6秒以内に「注文実行」をクリックすると、購入が完了。ホームページに戻ると、「JPY資産」が減って「BTC資産」が増えている。

 これであなたもビットコイン所有者だ。

 為替の両替と同じで、ビットコインも売りと買いでレートが異なる。原稿執筆時点では、1BTCの購入価格が65万3481円だったの対し、売却価格は61万7934円だった。またビットコイン販売所とは別にビットコイン取引所というページもある。販売所は、売りも買いも相手はビットフライヤーだが、取引所は、証券取引所同様、売りたい人と買いたい人のマッチングを行う場所だ。取引所の場合は指値注文も可能だが、相手があることなので取引が成立しない可能性がある。販売所の場合、その心配はないが、その分、手数料が上乗せされているので割高な価格となっている。

 ビットコイン取引所はビットフライヤーだけではない。一時は40カ所以上の取引所があった。それだけ数が多いと玉石混交で、必ずしも信用がおけるとは限らなかった。マウントゴックス事件のように、何かあった時に被害を受けるのは利用者である。それだけに、取引所選びには慎重さが必要だった。そこで金融庁は仮想通貨交換業者に登録を義務づけることとし、9月29日に第一号登録が発表された。登録されたのはビットフライヤーをはじめ、コインチェックやビットバンク、GMOコインなど計11社。この登録のある取引所なら、安心してビットコインの売買ができるというお墨付きである。

 ただし、一口にビットコイン取引所と言っても、手数料などはかなりの差がある。例えば取引手数料は、ビットフライヤーが0.01~0.15%なのに対し、コインチェックは無料だ。その代わりコインチェックは日本円で出金する時に、場合によってはビットフライヤーよりも高い手数料が掛かる。

 また大半の取引所でレバレッジを効かせることが可能だが、中にはGMOコインなどのように25倍のレバレッジが可能なところもある。つまり10万円の入金で250万円まで取引できるため、ボラティリティの大きいビットコインでは、レバレッジを効かせることで一獲千金を目指すことも可能だ(その分、下落リスクがあるのは言うまでもない)。

 ここまで、主にビットコインの購入について説明したが、売却についても、同じページで行うことができる。それを現金化するには、入金の時と同じく入出金のページから「日本円ご出金」を選び、金額を指定すれば、登録してある銀行にお金が振り込まれる。

ビックカメラが積極的に取り組むビットコイン決済

 では、ビットコインをビットコインとして使うにはどうするかといえば、極めて簡単だ。

 まずはビットコイン取引所のアプリをダウンロードする。買い物する時はそのアプリを起動。「Pay」→「送金」→「QRコードをスキャンして送金」を選ぶと、カメラ画面に切り替わる。一方お店の端末にはQRコードが表示されるため、これをスマホで読み取れば、そこで決済は完了。アカウント内のビットコインはその瞬間に引き落とされる。

 使い勝手は他の電子マネーと遜色がない、といいたいところだが、必ずしもそうでもない。

 9月下旬、ある店舗の支払いでビットコインを使おうとした。ところがレジ担当の店員が、扱い方を知らない。結局、違う店員がやってきて、対応端末を取り出し、決済をすませるまでに5分ほど時間がかかった。レジをそれだけの時間独占したため、後ろにはレジ待ちの客ができてしまった。これはビットコインを使った人の多くが経験していることで、ビットコインの利用者が少ないことの裏返しだ。利用者が多ければ店員も習熟し対応も早くなる。現在はまだそこまでは至っていないということだ。

 ビックカメラはビットコイン決済に積極的に取り組んでいる会社のひとつだ。4月から一部店舗でサービスを開始、7月には全店に拡大した。そこでビックカメラ有楽町店で店員に聞いたところ、利用者は全館で1日10人いるかいないかだという。今年前半はビットコイン相場が右肩上がりで上がっていたため、含み益を使って買い物をする人が目立ったものの、最近はそれも少なくなっている。また利用者は日本人が圧倒的で、一時、ビットコインを爆買いしていた中国人の利用は限られているという。

風俗店の決済にビットコイン

 一方、9月23日から首都圏38店舗でビットコインが使用できるようになったのがエイチ・アイ・エス(H.I.S.)。ビットコイン用のキャンペーン商品を用意したこともあって、新宿本店では、23日の開店とほぼ同時に2組の客がビットコインで旅行を申し込むなど滑り出しは順調だ。しかもその客は、もともとH.I.S.の顧客ではなく、ビットコインが使えるからという理由でH.I.S.を利用したという。H.I.S.ではビットコイン導入の目的として新規マーケットへの対応を上げていたが、その狙いが当たったことになる。

 ただし、この出足のよさはキャンペーン商品があったからで、広く普及するかどうかは未知数のところもある。仮にビットコインの価格が上がり続けていれば、その含み益を使って旅行に行こうと考える人も増えるだろうが、逆に値下がりすれば利用者は激減する恐れもある。

 ビックカメラやH.I.S.以外でも、丸井の一部の店舗やメガネスーパーがビットコイン決済を導入したほか、LCCのピーチ・アビエーションも年内に導入する予定だ。このほか、インターネットで「ビットコイン 使える店」で検索すれば、使用できる店を簡単に調べることができる。その大半が飲食店だが、中にはデリバリーヘルスの名前もある。そのホームページに飛ぶと、確かに決済手段として各種クレジットカードに交じってビットコインも表示されており、ご丁寧にも「風俗店として国内初ビットコインでのお支払いにも対応しております」と書かれている。ビットコインはここまで普及しているのだ。このサイトに掲載されていない店を加えると、現在、利用できる店は国内で1万カ所以上にもなるという。

 またECサイトの中にもビットコインに対応するところが増えている。もともとビットコインとインターネットの親和性は極めて高いだけに、今後はビットコイン決済はデファクトとなっていく可能性が高い。

 既に日本国内でビットコインを保有している人は70万人を超える。その大半が、投資目的だが、利便性が高まれば高まるほど、電子マネーの一種として利用しようという人は増えてくる。本稿で見てきたように、申し込みも使い方も極めて簡単だ。お金を先に入れる一種のプリペイドカードのようなものなので、使い過ぎる心配もない。

 あなたもビットコインを使ってみませんか。

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