文化・ライフ

「仕事ではファッションが大事」と言えば、大事なのは中身だと反論されるかもしれない。だが、「仕事では印象(インプレッション)が大事」と言い換えれば、おそらく異論は少ないだろう。「ファッションとは、その人の内面、在り方を表すもの」と考えれば、そのプライオリティは高まるはずだ。ファッションスタイリストジャパン(FSJ)でスタイリストを務める吉川浩太郎氏が、ファッションとの向き合い方、具体的なテクニックなどを、ビジネスパーソンに向けて伝授する。

年配者に定番の色を避ける

FSJ第37回画像 お洒落に見せるポイントの1つとして、「季節感を出す」ということが挙げられます。たとえば、ネクタイの素材。基本的にネクタイはシルクのものが多いのですが、そこにウールが混じった素材、またはウールのみのネクタイであれば、周囲に暖かそうな印象を与えることができます。季節感をきちんと伝えることができるアイテムを取り入れると面白いでしょう。

 この季節、スーツの下にセーターやカーディガンを着るのも、暖かそうな印象を与えます。われわれのところでスーツをオーダーしてもらう場合、ベストも併せてご提案することがよくあります。どうしても着たくないという人には、セーターやカーディガンをお勧めしています。

 ただ、着るものによっては、実年齢より老けて見える場合もあります。老けて見られるのを避けるためには、年配者が着そうにないものを着ることです。セーターであれば、黒や紺、ビビットな赤を着ている年配者の方もたまに見かけますが、そうした色を避けるというのも1つの方法です。

 差し色として明るくインパクトの強い色をあえて着るのは、失敗するリスクもあるのですが、成功すれば大きな効果を発揮します。職業的にNGといった理由がなければ、ぜひトライしてみてください。

意外と似合うケースが多い

 とはいえ、Tシャツなどと違って、明るめの色のセーターをスーツの下に着るのに抵抗があるものです。

 40代以上の方は特に、自分1人で買い物に行くと、明るめの色のセーターを手に取らない人がほとんどです。年配の人ほど明るい色を避けるので、自分も着なくなり、「おじさんのカラー」として地味な色がますます定着する、という状態になります。

 ところが、そうした方でも実際に明るい色を試着してみると、意外と似合うことが多いのです。好印象を与える効果も大きいので、われわれプロとしても腕の見せ所になります。

 その代わり失敗するとすごく目立ってしまうので、諸刃の剣的な要素もあります。慎重に選ぶべきですが、周囲から客観的な意見をもらえるようであれば、「ちょっと派手かな」と思うぐらいの色でもぜひ試してみてください。

吉川浩太郎のワンポイントアドバイス

吉川さん写真中高年の方が明るい色のセーターに抵抗感を示すのは、「慣れていない」ということも大きいと思います。最初は多少違和感があるかもしれませんが、ジャケットの下に着れば見える面積は限られてくるので、全体的にちょうど良いバランスになるということも念頭に置いてみてください。

 

(よしかわ・こうたろう)1981年5月19日生まれ。東京都日野市出身。紳士服専門上場企業で人事採用や接客業務を経た後、イメージコンサルタントとしてのキャリアを基に依頼者独自の良さを引き出すコーディネート事業を展開。プライベートカジュアルからスーツスタイルまで幅広い知識・提案に定評がある。化粧品会社、大手建機会社、生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会(公益社団法人JAIFA)等で30~100名規模のファッション研修に携わっている。

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